セッション情報 口演

術後再建腸管におけるERCP

タイトル O-144:

ダブルバルーン内視鏡併用ERCPにおけるCO2 enterogramの有用性

演者 福庭 暢彦(島根大学内科学第二)
共同演者 森山 一郎(島根大学腫瘍センター), 三代 剛(島根大学内科学第二), 大嶋 直樹(島根大学内科学第二), 飛田 博史(島根大学内科学第二), 結城 崇史(島根大学光学医療診療部), 川島 耕作(島根大学内科学第二), 三宅 達也(島根大学内科学第二), 石村 典久(島根大学内科学第二), 佐藤 秀一(島根大学光学医療診療部), 石原 俊治(島根大学内科学第二), 木下 芳一(島根大学内科学第二)
抄録 【背景】ダブルバルーン小腸内視鏡を用いた内視鏡的逆行性胆管膵管造影(以下DB-ERCP)は術後再建腸管を有する胆膵疾患への内視鏡的アプローチを可能にした.しかし,再建腸管へのスコープ挿入は難易度が高く,手技の確立が急務である.当科では挿入時に二酸化炭素送気による再建腸管の陰性造影(以下CO2 enterogram)を積極的に行い,挿入方向の確認することで目的部位到達時間の短縮を目指している.【目的】DB-ERCPにおけるCO2 enterogrmの有用性を検証する.【方法】2009年2月から2013年8月まで当院で施行されたDB-ERCP 68件中初回の43件を対象とした.CO2 enterogram導入前(2011年8月以前)をコントロール群(C群16件),導入後をenterogram群(E群27件)として両群の(1)目的部位到達率,(2)平均目的部位到達時間,(3)CO2ナルコーシスなどの有害事象の有無を比較検討した.なお再建術式は,C群が膵頭十二指腸切除術後(PD後)8件,Billroth II法再建(BII)1件,Roux-en Y再建(RY)7件であり,E群がPD後6件,BII 7件,RY 11件,その他3件であった.全例CO2モニター監視下に施行した.【結果】(1)C群が100%(16/16件),E群が74%(20/27件)であった.(2)C群が38分,E群が24分であった.再建術式別ではC群がPD後31分,BII 70分,RY 41分に対し,E群はPD後30分,BII 22分,RY 24分,その他19分であった.(3)有害事象は認めなかった.【考察】CO2 enterogram導入後は目的部位到達時間が有意に短縮していた(P=0.017).特にBIIではその傾向が顕著であった.またE群では目的部位到達率が低下していたが腸管の狭窄や屈曲の高度な例が含まれており患者背景の差異の影響と考えられた.【結論】CO2 enterogramはDB-ERCPにおける目的部位到達時間を短縮させる可能性がある.
索引用語