セッション情報 |
口演
術後再建腸管におけるERCP
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タイトル |
O-145:当院における術後再建腸管に対するダブルバルーン内視鏡を用いたERCP関連手技の成績
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演者 |
末永 成之(山口大学消化器病態内科学) |
共同演者 |
戒能 聖治(山口大学消化器病態内科学), 川野 道隆(山口大学消化器病態内科学), 播磨 博文(山口大学消化器病態内科学), 仙譽 学(山口大学消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大学消化器病態内科学) |
抄録 |
【目的】従来ではアプローチが困難とされていた術後再建腸管を有する胆膵疾患症例に対してダブルバルーン内視鏡(DBE)を用いた内視鏡治療の有用性が報告されている.しかし,依然として難易度は高く施設間で成績に差があるのが現状である.今回,我々は当院で施行した術後再建腸管に対するDBEを用いたERCP関連手技(DB-ERCP)の治療成績について報告する.【方法】2005年10月から2013年8月までに当院で術後再建腸管を有する症例に対してDB-ERCPを施行した42症例50件(男性29例,女性13例,平均年齢70歳)を対象とした.使用機種は有効長152cmの富士フイルム社製DBE(EC-450BI5)で,全例に透明フードを装着した.術後再建法の内訳はRoux-en-Y法再建後39例(胃全摘術後28例,幽門側胃切除後1例,胆管空腸吻合術後10例),Billroth-II法再建後3例であった.DB-ERCP施行目的は,胆管結石35件,胆管炎8件,胆管空腸吻合部狭窄4件,閉塞性黄疸4件,膵癌2件,胆管癌1件,術後胆汁瘻1件であった.これらの症例に対して,1)乳頭あるいは胆管空腸吻合部への到達率,2)カニュレーション成功率,3)処置内容,4)偶発症について検討した.【成績】1)乳頭あるいは胆管空腸吻合部への到達率は39/50(78.0%)であった.2)乳頭あるいは胆管空腸吻合部に到達した症例におけるカニュレーション成功率は33/39(84.6%)であった.3)処置内容は,造影のみ10件,截石18件,EST8件,EPBD8件,EPLBD3件,胆管空腸吻合部拡張2件,ステント留置6件(重複あり)であった.4)偶発症は胆管炎8件,軽症膵炎4件,腸管穿孔1件であり,いずれも保存的に軽快した.【結論】これまで内視鏡処置が困難であった術後再建腸管症例に対してDBEを用いたDB-ERCPの有用性が示された.今後,治療成績の向上のために,さらなる手技の確立や内視鏡機器の改良,デバイスの開発が期待される. |
索引用語 |
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