セッション情報 口演

術後再建腸管におけるERCP

タイトル O-146:

極細径大腸内視鏡を用いたシングルバルーン法による胆道処置の試み

演者 白鳥 俊康(亀田総合病院消化器内科)
共同演者 平田 信人(亀田総合病院消化器内科), 中路 聡(亀田総合病院消化器内科), 小林 正佳(亀田総合病院消化器内科), 石井 英治(亀田総合病院消化器内科), 藤井 宏行(亀田総合病院消化器内科), 平井 満(亀田総合病院消化器内科), 鈴木 健一(亀田総合病院消化器内科), 山内 健司(亀田総合病院消化器内科), 吉村 茂修(亀田総合病院消化器内科), 瀬尾 卓司(亀田総合病院消化器内科), 神田 圭輔(亀田総合病院消化器内科)
抄録 【目的】術後再建腸管ではERCPではバルーン内視鏡が有用との報告が多いが,有効長が長いため使用可能な処置具が制限される.また,乳頭部到達後に内視鏡の交換を要するという問題がある.short DBEとして有効長の短いEI-530Bも発売されているが広く普及はしておらず,施行可能な施設に限りがある.当院では,術後再建腸管に対してバルーン内視鏡用オーバーチューブを併用し極細径大腸内視鏡を用いたSingle-Balloon ERCP(SBERCP)を施行しており,その成績を報告する.【対象と方法】対象は2013年1月~9月にSBERCPを施行した術後再建腸管7症例(いずれも初回施行症例).極細径大腸内視鏡PCF-PQ260L(先端に透明フードを装着)と,オーバーチューブTS-13100を使用.本手技は胃温存R-Y症例で第一選択とした.胃全摘R-Y症例ではオーバーチューブを使用せず内視鏡単独での処置を選択し,処置困難な場合に限り本手技へ変更した.処置内容に関して乳頭部到達時間・乳頭部到達割合・処置時間・処置完遂割合・偶発症を検討した.尚本手技へ変更した症例では,最初の内視鏡挿入時より時間を測定した.【結果】年齢中央値は67歳(58~80歳).再建方法の内訳は胃全摘R-Y3例,胃温存R-Y4例.施行事由は総胆管結石截石が5例,良性胆管狭窄ドレナージが1例,悪性胆管狭窄ドレナージが1例.平均乳頭部到達時間は23.1分(5~48分)で,全例で乳頭部到達が可能であった.平均処置時間は59.6分(41~75分)で,全例で処置を完遂出来た.偶発症はいずれの症例でも認めなかった.【考察】PCF-PQ260Lは大腸への挿入性向上のために開発されたが,受動湾曲・高伝達挿入部・細径化の特徴を持つため術後再建腸管にも有用で,汎用性の高い内視鏡である.乳頭部到達後に多くのERCP用処置具をそのまま使用することが可能で,処置時間の短縮も期待出来る.Short DBEの新規導入が難しい施設において選択肢の一つとなり得る.
索引用語