セッション情報 口演

腫瘍

タイトル O-151:

悪性軟部肉腫に対するパゾパニブ塩酸塩およびパゾパニブ+デノスマブ併用療法の検討

演者 安田 華世(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科)
共同演者 楢原 啓之(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科DELIMITERキュアサルコーマボード共同治療連携), 森田 香織(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 武田 梨里(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 安永 祐一(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 乾 由明(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 河田 純男(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 高橋 紀美子(同治験センター), 山村 倫子(大阪府立成人病センター研究所DELIMITERキュアサルコーマボード共同治療連携), 高橋 克仁(大阪府立成人病センター研究所DELIMITERキュアサルコーマボード共同治療連携)
抄録 【目的】パゾパニブ塩酸塩は,VEGFR,PDGFR,c-kitなどを阻害するマルチキナーゼ阻害薬である.国際共同試験PALETTE(VEG110727)試験の結果に基づき2012年9月悪性軟部腫瘍に対して保険承認された.しかし本試験に含まれる日本人は31例のみであり,希少癌腫であることから単施設では症例集積は困難と考えられる.そこで本セミナーでは,承認当初から多施設と共同連携して肉腫治療を集約している.今回我々は,悪性軟部肉腫に対するパゾパニブ塩酸塩の安全性と有用性を検討し,骨転移症例にはデノスマブを併用してその安全性と有用性を評価した.【方法】2012年11月から2013年7月までに当院を受診しパゾパニブ塩酸塩を内服した悪性軟部肉腫患者26例.全症例をretrospectiveに検討した.年齢は56.5歳(17-81歳),性別は女性24例,男性2例.いずれも転移巣を有する.化学療法の前治療あり13例,前治療なし13例.なお2013年4月までは初回投与量800mgから漸減・休薬し,それ以降は400mgから内服開始し漸増した.【成績】原発巣は後腹膜・大網9例,子宮9例,その他8例であった.組織型は平滑筋肉腫15例,脂肪肉腫3例,その他8例.観察期間は14週間(1週間-34週間)であった.Grade3/4の有害事象は,各々高血圧19/0%,下痢12/0%,好中球減少8/4%,白血球減少8/0%,血小板減少4/4%であった.腫瘍縮小効果は26.1%(全例PR),腫瘍制御率(DCR)は56.8%であった.PFSはデノスマブ投与群では30.8週であり,デノスマブ非投与群の11.5週より延長する傾向にあった(p=0.112).OSは未達.【結論】1.パゾパニブ塩酸塩は,分子標的薬剤に習熟した腫瘍内科医が緊急対応可能な病院で処方すれば極めて安全である.2.パゾパニブとデノスマブの併用療法は安全でありその有用性が示唆された.
索引用語