セッション情報 口演

肝癌 基礎

タイトル O-157:

肝細胞癌は,肝星細胞と液性因子を介したインテラクションにより幹細胞化が進行する

演者 永原 照也(岡山大学医歯薬学総合研究科消化器肝臓病学教室)
共同演者 白羽 英則(岡山大学医歯薬学総合研究科消化器肝臓病学教室), 内田 大輔(岡山大学医歯薬学総合研究科消化器肝臓病学教室), 岩室 雅也(岡山大学医歯薬学総合研究科消化器肝臓病学教室), 片岡 淳朗(岡山大学医歯薬学総合研究科消化器肝臓病学教室), 堀口 繁(岡山大学医歯薬学総合研究科消化器肝臓病学教室), 山本 和秀(岡山大学医歯薬学総合研究科消化器肝臓病学教室)
抄録 【目的】癌の幹細胞化は,抗癌剤耐性など悪性化に寄与する.肝細胞癌(HCC)においても癌の幹細胞が報告されているが,そのメカニズムについては,未だ不明な点も多い.本検討では,HCCの類洞壁細胞とのインテラクションによる幹細胞化についての検討を行った.【方法】HCC細胞株HepG2,Hep3B,Huh7,PLC/PRF/5を用いた.類洞壁細胞の実験的検討として,血管内皮細胞HUVECおよび肝星細胞細胞株を用いた.HCC細胞株と類洞壁細胞を共培養し,以下の検討を行った.細胞増殖能は,MTT assayで評価した.Stem cell signalであるTwist,Notch signal及び幹細胞マーカーEpCAM,CD44,CD90,CD133については,特異的抗体を用いてWestern blottingを行った.癌幹細胞マーカーはFlow Cytometryでも検討を行った.Cell culture insertを用いた非接触共培養でも同様に検討を行った.【成績】HCC細胞株と肝星細胞細胞株の共培養を行うと,HCC細胞株において幹細胞化が進行し,特にEpCAMの発現が亢進した.同様にTwist発現及びNotchシグナルの活性化も認められた.非接触共培養でも同様の結果が得られた.【結論】HCC細胞と肝星細胞は,液性因子を介するインテラクションが存在し,HCC細胞の幹細胞化の一因となっている可能性がある.
索引用語