セッション情報 | 口演肝癌 |
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タイトル | O-160:当科におけるChild-Pugh class Aの進行肝細胞癌に対する集学的治療成績 |
演者 | 新関 敬(久留米大学病院消化器内科) |
共同演者 | 鳥村 拓司(久留米大学病院消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】当院では切除不能の肉眼的脈管侵襲を有する進行肝細胞癌に対しLow-dose FP(LFP)やNew FP療法(NFP)(AP&T 2010;32:543-550)による肝動注化学療法(HAIC)を行い,奏功例には腫瘍消失を目指し肝切除,RFA,TACEなど局所療法を追加し更なる予後の改善を測ってきた.今回我々はHACIをベースとした集学的治療の有用性を検討した. 【方法】今回,画像上の腫瘍消失をtumor free(TF)と規定し,LFPまたはNFPを用いて上記のごとく集学的治療を施行したChild-Pugh class(CP)A,肉眼的脈管侵襲有,遠隔転移なしの症例に対するTFの達成率,予後を検討した.対象は上記条件を満たすNFP:37例,LFP:48例の計85例.NFPは上記論文に従った. 【成績】患者背景は平均最大腫瘍径:83mm,CP 5:6=45:40例で両群に差は認めなかった.全例の生存期間中央値(MST)は18.7ヶ月,局所治療を含めた集学的治療のRECISTでの治療効果はCR:PR:SD:PD=12:42:27:19%で奏効率54%,TF達成率は25%であった.LFP例はMST:16.1ヶ月,CR:PR:SD:PD=2:38:31:27%で奏効率42%,TF達成率は15%であり,NFP例はMST:30.0ヶ月,CR:PR:SD:PD=22:48:22:8%で奏効率70%,TF達成率は38%であった.全例での治療効果はTF:PR:SD or PD=25:32:43%で,それぞれMSTは51:19:7ヶ月で有意差を認めた.HAICのみでのTF達成は12例で,局所治療を追加する事で更に9例(TACE:5,Ope:2,RF:1,RT:1)がTFを達成した.生存に関わる因子の多変量解析では,TF,VP4が認められ,TFに関わる因子の多変量解析ではレジメン:NFPが認められた. 【結論】今回の検討対象は様々な治療が選択できるが,当科でのHAICのみでのTF達成率は14%で,局所治療を加える事でTF達成率を25%に改善出来た.TFの予後は有意に良好であり,TF予測因子としてregimenがNFPである事が認められた.よって,切除不能のCP A,肉眼的脈管侵襲有,遠隔転移なしの症例に対し,NFPを用いた集学的治療でTFを目指す治療戦略は有効と考えられた. |
索引用語 |