セッション情報 | 口演肝癌 |
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タイトル | O-162:肝動注化学療法からソラフェニブへの変更のタイミング |
演者 | 大西 秀樹(岡山大学分子肝臓病学) |
共同演者 | 能祖 一裕(岡山大学分子肝臓病学), 中村 進一郎(岡山大学消化器内科), 和田 望(岡山大学消化器内科), 森元 裕貴(岡山大学消化器内科), 竹内 康人(岡山大学消化器内科), 宮原 孝治(岡山大学消化器内科), 桑木 健志(岡山大学消化器内科), 三宅 康広(岡山大学消化器内科), 白羽 英則(岡山大学消化器内科), 山本 和秀(岡山大学消化器内科) |
抄録 | 【背景】本邦では肝動脈化学塞栓療法が不能・不応の進行肝細胞癌に対して,肝動注化学療法(HAIC)とソラフェニブが選択される.現在,これらの選択基準は明らかでないが,脈管浸潤合併時にはHAIC先行が有効であるとの報告もある.一方,Child-Pugh(CP)AでHAICを先行した場合,肝機能が早期に増悪すればソラフェニブの治療機会を逸する事となり問題である.【目的】肝機能悪化の側面から,HAICからソラフェニブへの治療変更のタイミングを明らかとする.【対象】1997年から2012年まで当科でHAICが導入された204症例の内,導入時のCP Aで,経過を追うことができた66症例を対象とし,BSCを含む治療変更までの肝機能の推移をretrospectiveに解析し,変更のタイミングについて検討した.【結果】のべ181クールの治療内訳はlow dose FP:65%,CDDP:22%,FAIT:7%,5FU:5%,5FU+CDDP+IFN:2%であった.HAIC導入時の肝機能はCP 5点(CP5群)37症例,CP 6点(CP6群)29症例であった.全症例において,HAIC実施中にCP 7点以上に悪化するまでの期間の中央値は44ヶ月,6ヶ月後のCP A維持率は84%であった.CP 7点以上に悪化はCP5群で13%(5/37),CP6群で34%(10/29)に見られ,CP6群において有意に多かった(P=0.04).CP5群では,PD,non-PDに関わらず肝機能の増悪が認められた症例(20%(3/15)vs 9%(2/22))が少なく,有意差はなかった(P=0.34).一方CP6群ではnon-PDのまま増悪した症例はわずか13%(2/15)であるのに対し,PD後に肝機能の増悪が認められた症例は57%(8/14)と半数以上を占めており,有意にPD後に肝機能が悪化していた(P=0.01).【結語】HAIC導入による肝機能は,ソラフェニブと異なり,病勢悪化まで保たれていたが,CP6点症例での治療変更時期の決定には,治療効果の判断を早期に行う事が重要と考えられた. |
索引用語 |