セッション情報 | 口演肝癌(TACE,動注) |
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タイトル | O-164:高度進行肝細胞癌に対する白金製剤を用いた肝動注化学療法 |
演者 | 今井 幸紀(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科) |
共同演者 | 近山 琢(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 濱岡 和宏(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 繁田 貴博(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 藤井 庸平(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 打矢 紘(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 平原 和紀(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 中澤 学(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 安藤 さつき(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 菅原 通子(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 稲生 実枝(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 中山 伸朗(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 岡 政志(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 持田 智(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】高度進行肝細胞癌の治療は肝動注化学療法と分子標的薬が中心である.白金製剤を用いて肝動注化学療法を実施したstageIV症例の経過を解析することで,これらにおけるカテーテル治療(IVR)の意義を検討した.【方法】対象は2010年1月から2013年7月に初回IVRを施行したstage IVの肝細胞癌55例(男:女=49:6,43~83歳).Child-Pugh Aが26例,Bが27例,Cが2例.肝癌stageはIVaが35例,IVbが20例.最大腫瘍径は中央値78(15~230)mmで,Vp 0,1,2,3,4が夫々12,8,8,15,12例.下大静脈腫瘍栓を4例に認めた.StageIVb,腫瘍径80mm以上,Vp 3以上の何れかを満たす症例はシスプラチン(CDDP)を,その他および腎機能の軽度低下例はミリプラチン(MPT)を動注後,可能であれば塞栓術を追加した.1ヶ月後に腫瘍が縮小した症例は同一薬物でIVRを反復し,縮小効果はないが,全身状態良好の症例では,白金製剤を変更してのIVRないしはソラフェニブ投与を行った.6例では門脈ないし下大静脈塞栓に対しての放射線治療を併用した.【成績】初回治療はCDDPが42例,MPTが13例で,うち6例ずつで塞栓術を併用した.治療効果は47例で判定可能で,CRはなく,PR,SD,PDがCDDPでは8,15,13例,MPTでは3,3,5例であった.初回IVR後に15例でソラフェニブ単独投与またはIVRとの併用を行った.全症例の生存期間は中央値8.0ヶ月で1年生存率は25.5%であった.Child-Pugh A,Vp2以下,初回治療PR,製剤変更による再IVRないしソラフェニブ投与の症例で生存期間が有意に長かった.多変量解析では,これらのうち製剤変更による再IVRとソラフェニブ投与が予後に寄与する因子であった.【結論】stageIVの高度進行肝癌症例でも,白金製剤によるIVRを実施し,効果が十分でない場合は製剤変更による再IVRないしソラフェニブ投与を追加することで,延命が期待できる. |
索引用語 |