セッション情報 | 口演肝癌(TACE,動注) |
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タイトル | O-166:plain cone-beam CTによる肝動脈塞栓術の定量的治療効果予測 |
演者 | 南 康範(近畿大学医学部消化器内科) |
共同演者 | 南 知宏(近畿大学医学部消化器内科), 有住 忠晃(近畿大学医学部消化器内科), 田北 雅弘(近畿大学医学部消化器内科), 北井 聡(近畿大学医学部消化器内科), 矢田 典久(近畿大学医学部消化器内科), 井上 達夫(近畿大学医学部消化器内科), 萩原 智(近畿大学医学部消化器内科), 上嶋 一臣(近畿大学医学部消化器内科), 西田 直生志(近畿大学医学部消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部消化器内科), 柳生 行伸(近畿大学医学部放射線診断学), 村上 卓道(近畿大学医学部放射線診断学) |
抄録 | 【背景】肝動脈塞栓術(TACE)後に撮像されるplain cone-beam CTでは注入したLipiodolの分布を確認できることから治療終了の目安として用いられている.しかし,肝細胞癌(HCC)内に集積したLipiodolは治療後にwash-outされる場合が少なくない.【目的】TACE直後に撮像したplain cone-beam CTにおいて,各腫瘍のボクセル値とTACE1~3ヵ月後に行った効果判定とを比較検討した.【対象・方法】2011年4月から2012年4月に当院でTACE/TAIを施行し,治療直後のplain cone-beam CTおよび1~3ヵ月後に造影CTを撮像した89症例166結節が対象である.男性53例,女性36例で平均年齢は72.7歳であり,腫瘍径は2.5±1.3cmであった.TACE施行について,通常の手順に従い選択的にマイクロカテーテルを進めたうえで,EpirubicineとLipiodolの混合液を動注後にGelpartにて塞栓を行った.使用したcone-beam CT装置はInnova4100IQ Pro(GEメディカル)で,投薬終了後にplain cone-beam CTを撮像した.【結果】標的結節治療効果度(TE)に従って評価したところ,plain cone-beam CTによる早期効果判定ではTE 4が148結節,TE 3が8結節,TE 2が10結節であった.つまり,薬剤注入領域における多血性HCC全結節についてTACE直後にはLipiodolの集積を確認した.次に,TACE1~3ヵ月後のCTで行った通常の効果判定ではTE 4が96結節,TE 3が10結節,TE 2が42結節,TE 1が18結節であった.plain cone-beam CTでのボクセル値とTE評価についてROC解析をしたところAUCは0.809であり,カットオフ値は206であった.【結語】TACE直後にplain cone-beam CTを撮像することは比較的容易であり,腫瘍内のボクセル値を計測することは治療効果予測に有用である.特にボクセル値が低い値ではLipiodolがwash-outされやすいことを考慮して,次回の治療方針に役立てたい. |
索引用語 |