セッション情報 | 口演肝癌(TACE,動注) |
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タイトル | O-167:肝細胞癌に対するシスプラチン動注療法を併用したTACEによる肝内異所性再発の抑制 |
演者 | 川部 直人(藤田保健衛生大学肝胆膵内科) |
共同演者 | 橋本 千樹(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 中野 卓二(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 菅 敏樹(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 中岡 和徳(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 大城 昌史(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 高川 友花(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大学肝胆膵内科) |
抄録 | 【目的】肝細胞癌(HCC)は同時性・異時性の多中心性発癌や肝内転移の頻度が高く,経カテーテル的動脈化学塞栓療法(TACE)では肝内異所性再発から長期的な治療効果が得られないことも多い.本研究ではシスプラチン(CDDP;アイエーコール)動注療法を併用したTACEについて肝内異所性再発までの期間とそれに影響を及ぼす因子,生存期間(OS)について検討した.【方法】当科でTACEを施行した症例のうち,CDDP動注療法(TACE施行前にCDDP 100mgを生理食塩液に溶解し左右肝動脈または総肝動脈から投与)を併用したEPI-TACE(塩酸エピルビシンとリピオドールのエマルジョンを動注後,ジェルパートで塞栓)を施行した44例,およびEPI-TACE単独治療を施行した24例を解析の対象とした.平均年齢71歳,男性51例,女性17例.HBV/HCV/NBNC:5/50/13,Child-Pugh A/B:45/23,HCC stage I/II/III/IVA:7/22/33/6.異所性再発は3か月以降のCTでTACE実施部位とは異なる亜区域の新病変検出により判定した.【成績】異所性再発に影響を及ぼす因子として,単変量解析では動注併用(P=0.0093),Stage(≦3/>3)(P=0.029),クレアチニン値(P=0.030),EPI投与量(P=0.023)が検出され,多変量解析では動注併用(P=0.0056)とStage(≦3/>3)(P=0.014)が検出された.再発期間中央値は動注併用群で20.3ヶ月,TACE単独群で6.5ヶ月と動注併用群が有意に長かった(P=0.0073).OSに影響を与える因子として,多変量解析でPIVKA-II(P=0.0120)とアルブミン値(P=0.0005)が検出され,動注併用群とTACE単独群でOSに差は無かったものの,前治療歴のない症例では動注併用群の方がOSが延長する傾向が見られた(P=0.0970).【結論】TACEにCDDP動注を併用することによりHCCの肝内異所性再発を抑制できることが示された.初回治療例ではCDDP動注併用TACEを行うことによりOSを延長できる可能性も示唆された. |
索引用語 |