セッション情報 | 口演肝癌 ラジオ波(HCC RFA) |
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タイトル | O-168:ラジオ波凝固療法(RFA)症例における局所再発例の検討 |
演者 | 澤田 保彦(奈良県立奈良病院消化器内科) |
共同演者 | 中谷 敏也(奈良県立奈良病院消化器内科), 藤永 幸久(奈良県立奈良病院消化器内科), 才川 宗一郎(奈良県立奈良病院消化器内科), 下里 直隆(奈良県立奈良病院消化器内科), 永松 晋作(奈良県立奈良病院消化器内科), 松尾 英城(奈良県立奈良病院消化器内科), 菊池 英亮(奈良県立奈良病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】肝細胞癌(HCC)の根治的治療は外科的手術が第一選択となるが,患者の高齢化に伴いより低侵襲なRFAが選択される機会が多い.今回,当院で施行したRFA症例の局所再発例につき検討したので報告する.【方法】2002年4月から2013年6月に当院で施行したRFA症例348例のうち,初発HCCに対しRFA(RITA社製,handpieceはmodel90)を施行し,造影CTまたはMRIで追跡しえた89例,101結節を対象とし局所再発について検討した.内訳は男/女56/33例,平均年齢71.0歳(49-90),腫瘍数1/2/3個 79/8/2例,腫瘍径平均21.9mm(6-43),観察期間中央値509日(22-2754),etiology HBV/HCV/NBNC 10/64/15例,TAE先行11例,腹腔鏡併用1例であった.局所再発に寄与する因子として年齢,性別,結節径,結節存在部位(胆嚢隣接を含む肝表面,脈管隣接),Child Pugh score,などにつき統計学的に検討した.【成績】局所再発率は全体で32%(32/101),累積局所再発率は1年18%(19/101),2年28%(28/101),3年30%(30/101)であった.次に局所再発に寄与する因子を多変量解析でみると,「結節存在部位が肝表面」が有意な独立因子として抽出された.これらの部位は十分な凝固マージン確保が困難と思われる部位であり,このような症例のうち5例にTAEを先行させているが1年以内に局所再発した症例は1例のみであった.また,腫瘍が肝表面に存在し本来は外科的手術が望ましいが,RFAを施行し1年以内に局所再発した症例は50%(11/22例)であった.このような肝表面の腫瘍に対し腹腔鏡補助下でRFAを1例施行しているが,現在再発を認めていない.【結論】RFA施行に際しマージン確保困難例は局所再発率が高くなる.そのような場合は,TAE先行RFAも選択肢となりうる.また,腫瘍が肝表面に存在する症例は外科的手術が望ましいが,高齢者など手術が困難な症例は,TAE先行だけでなく腹腔鏡下RFAも選択肢の1つとなりうる. |
索引用語 |