セッション情報 | 口演肝癌(動注,ソラフェニブ,放射線) |
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タイトル | O-173:脈管浸潤をきたした高度進行肝細胞癌に対する治療法とその成績 |
演者 | 廣瀬 純穂(山梨大学医学部内科学第一講座) |
共同演者 | 中山 康弘(山梨大学医学部内科学第一講座), 鈴木 雄一朗(山梨大学医学部内科学第一講座), 佐藤 光明(山梨大学医学部内科学第一講座), 小松 信俊(山梨大学医学部内科学第一講座), 辰巳 明久(山梨大学医学部内科学第一講座), 三浦 美香(山梨大学医学部内科学第一講座), 雨宮 史武(市立甲府病院), 井上 泰輔(山梨大学医学部内科学第一講座), 前川 伸哉(山梨大学医学部内科学第一講座), 坂本 穣(山梨大学医学部内科学第一講座), 岡田 大樹(山梨大学医学部放射線医学講座), 荒木 拓次(山梨大学医学部放射線医学講座), 雨宮 秀武(山梨大学医学部外科学第一講座), 松田 政徳(山梨大学医学部外科学第一講座), 榎本 信幸(山梨大学医学部内科学第一講座) |
抄録 | 【背景/目的】脈管浸潤を伴った高度進行肝細胞癌の確立した治療はない.今回当科で選択した治療とその予後を検討した.【対象】2003年-2012年の当科初発肝細胞癌581例中,治療前に脈管浸潤が判明した50例.【結果】1)浸潤脈管は門脈(Vp)のべ41例(静脈(Vv)合併5例,胆管(B)合併3例),Vvのべ11例,Bのべ6例でそれぞれの生存期間中央値(MST)/1年生存率/3年生存率はVp=7.2ヶ月/42%/11%,Vv=24.8ヶ月/66%/33%,B=9.3ヶ月/33%/33%.遠隔転移は10例(20%)に合併した.2)当科治療原則はまず手術,手術不能はTACE/次に持続動注+腫瘍栓への放射線療法としている.実数は手術8例(以下のべ数),無治療8例,以外はTACE 16例,low-dose FP 10例,5FU+IFN 6例,放射線12例,Sorafenib 2例を組み合わせた集学的治療であった.3)手術例のMSTは75ヶ月で,術後12ヶ月以内の多発再発も3例(38%)認めたが,TACE等の後治療でその後平均13ヶ月生存し,1年/3年生存率は100%/66%であった.4)集学的治療群のMSTは12.7ヶ月で1年/3年生存率は41%/6%であり,無治療群の1.7ヶ月/0/0%より良好であった.5)遠隔転移合併例のMSTは5.1ヶ月であった.また生存に寄与する因子の多変量解析(cox比例ハザード)ではChild-pugh A(P<0.01),単発(P<0.001),Vv(P=0.02),治療が手術(P<0.01),治療がBSCでない(P<0.001)が抽出された.【考察】手術例は早期再発をきたしても予後良好であった.また一般的な予後は3-6カ月程と報告されるが,集学的治療で12ヶ月以上の平均生存期間が得られた.【結語】脈管浸潤を伴った高度進行肝細胞癌には再発を恐れず手術を検討すべきである.また切除不能の場合もBSCでは限界があり,IVRと放射線治療を組み合わせた集学的治療で比較的良好な予後を得られる. |
索引用語 |