セッション情報 口演

肝癌(動注,ソラフェニブ,放射線)

タイトル O-174:

肝細胞癌に対する粒子線治療の適応と治療成績

演者 宗林 祐史(虎の門病院肝臓センター)
共同演者 池田 健次(虎の門病院肝臓センター), 福島 泰斗(虎の門病院肝臓センター), 川村 祐介(虎の門病院肝臓センター), 小林 正宏(虎の門病院肝臓センター), 斎藤 聡(虎の門病院肝臓センター), 瀬崎 ひとみ(虎の門病院肝臓センター), 保坂 哲也(虎の門病院肝臓センター), 芥田 憲夫(虎の門病院肝臓センター), 鈴木 文孝(虎の門病院肝臓センター), 鈴木 義之(虎の門病院肝臓センター), 荒瀬 康司(虎の門病院肝臓センター), 熊田 博光(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【目的】当施設での粒子線治療(重粒子・陽子線)を施行した症例について治療成績を検討した.【対象・方法】対象は2007年から2013年までに粒子線治療を行った肝細胞癌52例とした.症例は男性41例,女性11例,年齢40-89歳.原疾患はB型/C型/非B非Cが11/27/14例,Child-Pugh分類ではA/B/Cが35/17/0例,腫瘍最大径1.0-14.1cm,腫瘍個数1-10個であった.このうち6か月後画像による評価が可能であった45例については局所制御率を以下の基準で算出した.すなわち,照射野内に新出病変を認めず,かつ多血領域が持続的に減少傾向もしくは腫瘍径が持続的に縮小傾向をとる場合,局所制御状態とした.【結果】(1)粒子線治療の適応理由(重複あり)は穿刺困難20例,TACE不能・不応7例,切除困難9例,脈管浸潤7例,その他(多発結節のうち予後規定結節への照射・肝外転移・切除拒否)9例の5群に大別できた.(2)全症例での局所制御率は45例中43例(95.6%)であった.要因別では穿刺困難100%,TACE不能・不応100%,切除困難85.7%,脈管浸潤83.3%,その他100%であった.(3)副作用・合併症としては,皮膚炎14例,胆道系酵素上昇2例,白血球減少1例が短期的に認められ,特にChild B症例では腹水の持続的増加と総ビリルビンの増加を示す症例を認めた.(4)全体の生存率は1年84.9%,2年74.8%,3年60.5%で穿刺困難の群の生存率が最も良好で1年93.3%,2年93.3%,3年93.3%であった.【結論】粒子線治療を行った例は様々な理由での標準治療困難例であった.局所制御率は95.6%と良好であり,適応理由による生存率の差が見られた.
索引用語