セッション情報 | 口演肝移植 |
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タイトル | O-180:肝移植後長期生着を目指して |
演者 | 蔵満 薫(神戸大学肝胆膵外科) |
共同演者 | 福本 巧(神戸大学肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大学肝胆膵外科), 木下 秘我(神戸大学肝胆膵外科), 田中 基文(神戸大学肝胆膵外科), 武部 敦志(神戸大学肝胆膵外科), 浅利 貞毅(神戸大学肝胆膵外科), 岡崎 太郎(神戸大学肝胆膵外科), 新関 亮(神戸大学肝胆膵外科), 松本 逸平(神戸大学肝胆膵外科), 味木 徹夫(神戸大学肝胆膵外科), 具 英成(神戸大学肝胆膵外科) |
抄録 | 【背景】日本国内ではこれまで6000例以上の生体・脳死肝移植が実施されている.症例の蓄積により周術期合併症は減少し移植後短期成績は向上したが,長期生着に影響を及ぼす合併症に関する検討は少ない.【方法】移植後退院し当科外来でフォローされたレシピエント63例について検討を行った.63例中58例が生体肝移植,5例が脳死肝移植のレシピエントで,2週間から半年に一度の頻度で外来フォローを行った.背景疾患はC型肝炎が30例(48%),B型肝炎が14例(22%),劇症肝炎が7例(11%),原発性胆汁性肝硬変が5例(8%),原発性硬化性胆管炎が3例(5%),その他が4例(6%)であった.【結果】経過観察期間の平均は5.4±3.3(0.1~17)年.移植時平均年齢は52.6±8.2(26~68)歳で,現時点での平均年齢は57.9±8.3(29~77)歳であった.13例(21%)が死亡.死因は肝癌再発が4例(うち2例が肺転移合併),感染症2例,胆管合併症2例,胆管癌再発1例,乳癌再発1例,慢性拒絶1例,C型肝炎再発1例,自殺1例であった.長期合併症として糖尿病13例(21%),胆管狭窄13例(21%),腎機能障害10例(16%,1例に透析導入),心疾患4例(6%,狭心症2例で1例に冠動脈バイパス術実施,虚血性心疾患1例,心不全1例),脳梗塞1例(2%),脳出血1例,ラトケ嚢胞1例,膵管内乳頭粘液性腫瘍1例,大腸癌1例,非定型抗酸菌症1例認めた.【考察】移植後長期合併症として腎障害障害や耐糖能異常が注目を集めているが,レシピエントの高齢化に伴い高率に脳血管障害や心疾患,癌などのいわゆる3大成人病の合併を認めるようになっている.通常の血液・腹部画像検査だけではこれらの疾患を早期発見する事は困難で,さらなる長期成績の向上には移植臓器だけではなく他臓器疾患に対する早期診断・治療体制の構築が必要である. |
索引用語 |