セッション情報 口演

肝癌 外科

タイトル O-185:

進行肝細胞癌(BCLC stage B/C)症例の外科治療成績

演者 田中 肖吾(兵庫医科大学外科学)
共同演者 飯室 勇二(兵庫医科大学外科学), 平野 公通(兵庫医科大学外科学), 裴 正寛(兵庫医科大学外科学), 黒田 暢一(兵庫医科大学外科学), 岡田 敏弘(兵庫医科大学外科学), 鈴村 和大(兵庫医科大学外科学), 麻野 泰包(兵庫医科大学外科学), 中村 育夫(兵庫医科大学外科学), 近藤 祐一(兵庫医科大学外科学), 小坂 久(兵庫医科大学外科学), 藤元 治朗(兵庫医科大学外科学)
抄録 【背景】Barcelona Clinic Liver Cancer(BCLC)アルゴリズムではstage BおよびCはそれぞれ肝動脈化学塞栓術およびソラフェニブが推奨治療法となっている.【方法】当科で1991年~2011年の期間に当科で初回肝切除を施行した全身状態および肝予備能が良好であった(PS 0,Child A,門脈圧亢進症(血小板数10万/μL以下かつ食道静脈瘤あり)なし,血清総ビリルビン値2.0 mg/dL未満)BCLC stage B127例およびstage C 46例(計173例)を対象とした.内訳は男146例,女27例で平均年齢64.1歳(37~84歳)であった.Stage Bの内訳は単発>5 cm 68例,2・3個>3cm 49例,4個以上11例であった.治療成績および予後不良因子について検討した.【結果】stage BおよびCの3年/5年生存率,生存日数中央値(MST)は75%/57%,76ヶ月および26%/17%,9.5ヶ月であり(p<0.000001),3年/5年無再発生存率は28%/19%および5.3%/0%であった(p<0.000001).stage BのSubgroup別では単発>5 cm(5年生存率/3年無再発生存率68%/80%),2・3個>3cm(同50%/41%),4個(同15%/17%)であった(p<0.000001).多変量解析の結果,HBs抗原陽性(p=0.02,リスク比1.8),HBs抗原+HCV抗体陽性(p=0.02,リスク比5.8),肝障害度B(p=0.02,リスク比1.7),2・3個>3cm(p=0.02,リスク比1.9),4個以上(p=0.001,リスク比3.9),脈管侵襲陽性(stage C)(p<0.000001,リスク比4.9)が独立予後不良因子であった.【まとめ】諸家のstage Bの肝動脈化学塞栓術の治療成績が3年/5年生存率26-29%/14-22%で,stage C(門脈侵襲陽性例のみ)のソラフェニブのMSTが5.9-9.7カ月であることを踏まえるとstage Bでも単発>5 cmおよび2・3個>3cmは肝切除適応として良いと思われた.ただ自験例におけるstage Cの成績はソラフェニブの成績と同等であった.
索引用語