セッション情報 口演

胃機能1

タイトル O-187:

新規 5-HT4 receptor partial agonist “RQ-00000010” のclonidine投与下,意識下成犬における胃運動,胃排出に与える影響

演者 財 裕明(東邦大学医学部総合診療・救急医学講座総合診療科)
共同演者 山本 利憲(ラクオリア創薬株式会社), 高橋 伸行(ラクオリア創薬株式会社), 多治見 政臣(ラクオリア創薬株式会社)
抄録 【目的】FDにおける胃排出遅延は症状の原因ではないとの考えが大勢を占めるようになり,消化管運動賦活薬に対する評価が定まらない事態となっている.しかし一部のFDを含め消化管運動を直接賦活することで症状改善につながると考えられる疾患は多岐にわたり,安全で効果の高い消化管運動賦活薬へのニーズは高い.RQ-00000010(以下RQ-10)は新規5-HT4 receptor partial agonistである.意識下成犬を用い,α2 receptor agonistであるclonidine投与によりストレスモデルを作成し消化管運動を抑制した状態でRQ-10の消化管運動賦活作用と胃排出促進作用を検討した.【方法】胃運動は胃前庭部漿膜側に縫着したforce transducerにより測定.胃排出測定は10 mg/kgのアセトアミノフェンを混和した液状試験食(10 kcal/10 mL/kg)を使用.アセトアミノフェン法で行った.Clonidineは0.01mg/kgの用量で皮下投与とした.RQ-10は,0.3,1.0,3.0,10 μg/kgを経口投与した.【結果】食後期においてRQ-10は1 μg/kg以上のdoseで有意に胃運動を促進した.Clonidineは食後1.5時間にわたり胃運動を抑制したが,RQ-10は1 μg/kgの投与量においてclonidine非投与時の胃運動にまで戻した.Clonidine投与により抑制された胃排出は,RQ-10の0.3 μg/kg投与により有意な排出改善を認め,同時に,clonidine非投与時の胃排出速度と同等の状態に戻った.以上の結果はいずれも用量依存性であった.【結論】消化管運動,胃排出は複雑な制御メカニズムの中で促進と抑制のバランスを保ちながら機能の恒常性を保っている.RQ-10は安全性が高く薬理活性の高い5-HT4 receptor partial agonistであり用量依存性にも優れている.こういった薬理学的特性は,至適用量を柔軟に設定できると同時に,強力に消化管運動を刺激することも可能なため,種々の病態生理に即した臨床応用が広く期待出来ると考えられる.
索引用語