セッション情報 |
口演
胃機能1
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タイトル |
O-190:プロトンポンプインヒビター投与開始7日目の胃酸分泌抑制効果に対する遺伝子多型及び投与タイミングの影響に関する検討―エソメプラゾールとラベプラゾールでの比較―
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演者 |
古田 賢司(島根大学内科学講座第二) |
共同演者 |
相見 正史(島根大学内科学講座第二), 足立 経一(島根県環境保健公社総合健診センター), 木下 芳一(島根大学内科学講座第二) |
抄録 |
【目的】日米のガイドラインでは,PPI投与でGERD症状が改善しない場合,PPIの種類の変更が推奨されている.2011年9月よりエソメプラゾールが新たに使用可能となったが,日本人における検討は少なくその特徴については不明である.本検討では,エソメプラゾールおよびラベプラゾールの胃酸分泌抑制効果に対する遺伝子多型及び投与タイミングの影響を明らかにする.【方法】対象は,ヘリコバクターピロリが陰性の健康志願者23例(男性20例,女性3例,平均年齢24.3歳).方法は,全対象例にエソメプラゾール20mg/日,ラベプラゾール10mg/日,プラセボを朝食前30分及び朝食後30分に経口投与し,投薬開始7日目の胃内pHをpHモニタリング記録装置で計測した.各薬剤の投与は無作為にクロスオーバー法にて行い,各薬剤の投与の前には1週間以上のwash out期間をおいた.また,PCR-RFLPにてCYP2C19遺伝子型の検討を行った.【成績】エソメプラゾール,ラベプラゾールともに遺伝子多型で胃内pHに有意な違いは認められなかった.PPI朝食後投与7日目の24時間の胃内pHに両PPI間で有意な差は認められなかったが,エソメプラゾールに比しラベプラゾールは夜間の胃内pHが有意に高値を示した.一方,PPI朝食前投与7日目の胃内pHは,日中の胃内pH,胃内pH>4HTはエソメプラゾールで高い傾向示し,胃内pH>3HTはラベプラゾールに比しエソメプラゾールで有意に高値を示した.食後投与で違いがみられた夜間の胃内pHは,食前投与では両PPI間で違いは認められなかった.【結論】エソメプラゾールは遺伝子多型の影響を受けず,どの症例に対しても安定した酸分泌抑制効果を認めた.エソメプラゾールは食前投与することでラベプラゾールに比し昼間の酸分泌抑制効果が高いことが明らかとなった. |
索引用語 |
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