セッション情報 |
口演
胃機能2
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タイトル |
O-193:機能性ディスペプシア患者及び糖尿病患者における13C酢酸負荷呼気試験を用いた胃排出遅延の合併率の検討
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演者 |
正岡 建洋(慶應義塾大学医学部内科学(消化器)) |
共同演者 |
鈴木 秀和(慶應義塾大学医学部内科学(消化器)), 福原 誠一郎(慶應義塾大学医学部内科学(消化器)), 松崎 潤太郎(慶應義塾大学医学部内科学(消化器)), 三好 佐和子(慶應義塾大学医学部内科学(消化器)), 森 英毅(慶應義塾大学医学部内科学(消化器)), 金井 隆典(慶應義塾大学医学部内科学(消化器)) |
抄録 |
【目的】器質的病変を伴わないにも関わらず胃・十二指腸領域由来と考えられる上腹部の痛みや不快感等の症状を呈する機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia:FD)の一部の症例において,胃運動能障害の関与が考えられているが,本邦ではFDにおける胃排出遅延の合併率についての検討はまだ無い.また,胃排出遅延を呈する胃不全麻痺(gastroparesis)の原因として糖尿病(DM)が最も多いとされているが(Masaoka et al. Gut liver3:166-73, 2009),原因が不明の特発性胃不全麻痺とFDの区別については明確な見解は得られていないのが現状である.今回,我々は13C酢酸負荷呼気試験を用いて本邦におけるFD患者及びDM患者における胃排出遅延の合併率について検討した.【方法】Rome III基準に基づいてFDと診断された胃もたれ症状を呈する患者4例とDM患者3例が書面での同意の上,参加した.1kcal/mlの流動食200mlに13C酢酸100mg(Na塩)を加えたものを参加者が摂取した後,摂取前(0分),摂取後5分,10分,15分,20分,30分,40分,50分,60分,75分,90分の11点で呼気を採取した.呼気中の13C含有量を測定し,13C含有量が最大となる時間であるTmax(実測値)を求めた.日本平滑筋学会のレポートでは同法による健常人におけるTmaxの平均値は43.9±20.6分であったことから,Tmaxが50分以下の症例を正常型,60分を境界型,75分もしくは90分を胃排出遅延と定義した.【成績】FD患者4例中1例はFDSとPDSの両症状を呈するOverlap症例で,3例はPDS単独症例であった.4例中,2例はTmaxが90分であり,胃排出遅延を認めたが,残りの2例は正常型であった.胃排出遅延を認めた2例はPDS単独症例であった.DM患者3例中,1例は境界型であったが,残りの2例は正常型であった.【結論】本邦においてRomeIII分類の診断基準を満たすFD患者の中に胃排出遅延を呈する症例が存在することが明らかになった. |
索引用語 |
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