セッション情報 |
口演
消化性潰瘍
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タイトル |
O-200:抗血栓薬内服早期胃癌患者におけるESD後内服再開時の後出血予防を目的とする4clip PGA法の有用性
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演者 |
中村 正克(金沢医科大学消化器内科) |
共同演者 |
白枝 久和(金沢医科大学消化器内科), 有沢 富康(金沢医科大学消化器内科) |
抄録 |
【背景】現在早期胃癌はESDの発達でriskの高い高齢者でもその恩恵を受けられる様になった.その反面,循環器系疾患合併率が上がり,抗血栓薬服用患者が多くなっている.同患者へのガイドラインが作成され,ESD後の抗血栓薬を早期再開する為,後出血の割合が高くなる事が危惧される.ESD後潰瘍はPPI内服約2カ月で瘢痕化するが,後出血はそれでも約5%認める為,早期抗血栓薬の再開でPPI内服では予防できない症例が増えると考えるからである.よってPPI以外に,外科手術(肝臓,肺)において使用されていた物理的に止血ができるPGA(ネオベール:Gunze)が注目されている.しかし内視鏡下で使用すると一括での接着は難しく,短冊状に数回に分けて接着させる必要性があった.又伸展した状態で貼り付かず脱落したり,全ての貼り付けに非常に時間のかかる事が問題であった.【目的】早期胃癌ESD後潰瘍出血予防におけるPGAを用いて,時間短縮での接着,PGA脱落予防を目的とした4clip PGA法を考案した.【方法】ESD後潰瘍径を計測しPGAを同形状に加工,吸収糸を3,6,9時に約10mmの円形状にして取り付ける.0時にはゼオクリップ(ゼオン)先端の穴に吸収糸を通して取り付ける.オーバーチューブを挿入,クリップ装着PGAを潰瘍の重力反対側正常粘膜に取り付ける.次に対側の6時に取り付け,PGAは宙に浮いてはいるが2点固定されている.次に3,9時方向にクリップを取り付け一枚のPGAに広げる.潰瘍面を散布チューブでPGAを軽く押して密着させ,fibrin glueを注入して接着させる.【結果】30mm大のESD後潰瘍のPGA張り付け時間は約15分で終了する事ができ,従来法よりも時間短縮できた.又1W後の観察でもPGA脱落を予防出来た.【考察】重力の為に剥がれ易かった前庭部大弯,体部小弯においてもクリップを施行する事によってPGAを確実に接着する事が出来ると考えた.よってあらゆるESD後潰瘍部位での確実な貼り付けが可能となり,抗血栓薬内服再開時の後出血予防として,簡便かつ物理的止血をする事が出来る良法になると考えた. |
索引用語 |
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