セッション情報 口演

胃腫瘍-臨床-1(外科)

タイトル O-207:

胃癌手術症例における術後1年後の体重変化の検討

演者 工藤 克昌(東北大学胃腸外科)
共同演者 武者 宏昭(東北大学胃腸外科), 田中 直樹(東北大学胃腸外科), 大沼 忍(東北大学胃腸外科), 羽根田 祥(東北大学胃腸外科), 神山 篤史(東北大学胃腸外科), 森川 孝則(東北大学肝胆膵外科), 阿部 友哉(東北大学胃腸外科), 長尾 宗紀(東北大学胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大学胃腸外科), 青木 豪(東北大学肝胆膵外科), 唐澤 秀明(東北大学胃腸外科), 吉田 寛(東北大学肝胆膵外科), 中川 圭(東北大学統合がん治療外科), 柴田 近(東北薬科大学病院), 元井 冬彦(東北大学肝胆膵外科), 内藤 剛(東北大学胃腸外科), 江川 新一(東北大学大学院災害医療国際協力学分野), 片寄 友(東北大学統合がん治療外科), 海野 倫明(東北大学大学院消化器外科学)
抄録 【目的】胃癌による胃切除術後に体重減少を認めることが報告されているが,その原因はまだ明らかになっていない.今回我々は術後の体重変化を検証し,術後体重減少に関与する因子を明らかにすべく検討した.【対象と方法】当科にて2007年10月より2011年8月までの間に,胃癌の診断で手術療法を実施した177例のうち,当科にて経過観察を行い,1年後に体重計測を行った113例を対象に,術式,再建術式,化学療法の有無,臨床病期について検討を行った.【結果】術前の体重に比し,1年後に体重減少を認めた症例は109例(96.5%)であり(p<0.0001),その平均減少率は,13.4±6.4%であった.術式別では幽門側胃切除術後(n=54)では,体重変化率が11.4±7.1%減少,胃全摘術(n=47)では,14.7±6.4%減少,噴門側胃切除術(n=10)では14.5±5.8%減少であったが,残胃全摘術2例では,3.2%減少,8.3%増加であった.化学療法を実施した群(n=19)の体重変化率は16.2±7.5%減少,実施しない群(n=94)は12.2±6.9%減少で,化学療法実施群で減少率が大きかった(p=0.046).幽門側胃切除術における再建術式で比較するとBillroth-I法群(n=28)が10.8±7.3%減少,Roux-en Y法群(n=26)が12.1±6.9%減少で,両群間に有意差は認められなかった.進行度では,stage I群(n=83)では12.7±6.9%,stageII以上群(n=30)では13.3±7.7%減少であり,群間に差は認められなかった.【結語】胃癌手術後,ほぼすべての症例で,1年後の体重減少を認め,体重減少率は化学療法群で有意に大きかった.術式,進行度では差が認められなかったが,残胃全摘術後は体重減少が少なかった.
索引用語