セッション情報 | 口演胃腫瘍-臨床-1(外科) |
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タイトル | O-208:胃癌術後患者における骨密度および骨代謝マーカーに関する検討 |
演者 | 羽場 祐介(金沢大学消化器乳腺移植再生外科) |
共同演者 | 藤村 隆(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 東 勇気(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 山崎 祐樹(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 渡邉 利史(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 柄田 智也(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 岡本 浩一(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 木下 淳(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 中村 慶史(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 尾山 勝信(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 二宮 致(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 太田 哲生(金沢大学消化器乳腺移植再生外科) |
抄録 | 【目的】胃切除後の骨代謝障害は患者QOLの低下をきたす要因の一つであるが,その機序や治療法に関してはいまだ不明な点も少なくない.今回,骨代謝状態を調査し,縮小手術の有用性を検討した.【方法】対象は術後1年以上経過した早期胃癌患者46症例で,術式別には,全摘(TG)群:14例,噴門側胃切除(PG)群:7例,幽門側胃切除(DG)群:13例,分節胃切除(SG)群:12例であった.骨密度(腰椎)をDXAにて測定し,骨代謝マーカーとしてCa,P,ALP,PTH,BAP(骨形成マーカー),TRACP-5b(骨吸収マーカー),ucOC(骨におけるビタミンK不足のマーカー),1,25(OH)2D(活性型ビタミンD)を測定した.【結果】TG群は年齢37-88歳(中央値68.5歳),性別:男性7名,女性7名,PG群は年齢49-78歳(中央値68.0歳),性別:男性3名,女性4名,DG群は年齢:60-85歳(中央値74.0歳),性別:男性9名,女性4名,SG群は年齢52-76歳(中央値65.5歳),性別:男性9名,女性3名で患者背景に差はなかった.骨密度は,同年齢成人比較でTG群86-138%(中央値99%),PG群83-153%(中央値113%),DG群95-134%(中央値106%),SG群91-177%(中央値117%)で,TG群で低い傾向であった.骨代謝マーカーは,SG群に比しDG群でCa低値(中央値:DG群9.2,SG群9.7mg/dl)(P=0.036),ALP高値(中央値:DG群257,SG群207IU/l)(P=0.044),TRACP-5b高値(中央値:DG群484,SG群372mU/dl)(P=0,064),1,25(OH)2D高値(中央値:DG群70.8,SG群59.1pg/ml)(P=0.044)と有意差が認められた.【結論】骨密度はTG群で低下していた.またDG群はSG群に比較して,Ca吸収障害が強く,Ca低下に対して骨吸収亢進及び腎でのビタミンD3産生を介して代償していることが考えられた.骨代謝の観点からも分節胃切除術は患者QOLの維持に有用と考えられる. |
索引用語 |