セッション情報 口演

胃腫瘍-臨床-1(外科)

タイトル O-209:

腹腔鏡補助下胃全摘術における縫合不全の危険因子

演者 押 正徳(横浜市立大学附属市民総合医療センター)
共同演者 國崎 主税(横浜市立大学附属市民総合医療センター), 牧野 洋知(横浜市立大学附属市民総合医療センター), 木村 準(横浜市立大学附属市民総合医療センター), 大島 貴(横浜市立大学附属市民総合医療センター), 大田 貢由(横浜市立大学附属市民総合医療センター), 高川 亮(横浜市立大学医学部研究科消化器腫瘍外科学), 小坂 隆司(横浜市立大学医学部研究科消化器腫瘍外科学), 秋山 浩利(横浜市立大学医学部研究科消化器腫瘍外科学), 遠藤 格(横浜市立大学医学部研究科消化器腫瘍外科学)
抄録 目的:腹腔鏡補助下胃全摘術における縫合不全の危険因子を明らかにする.対象:2006年6月以降,胃癌に対し同一術者により腹腔鏡補助下胃全摘術を施行した123例を対象とし,縫合不全(食道空腸吻合,十二指腸断端)の発生危険因子を単変量,・多変量解析により解析し,発生危険因子について検討した.年齢(75歳未満/以上),性別,PNI「(10×Alb)+(0.005×総リンパ球数))」低値(55未満)/高値(55以上),吻合方法(OrVil使用有/無),BMI(25未満/以上),手術時間(300min未満/以上),出血量(150ml未満/以上),術前併存疾患有無,開腹歴有無で検討した.成績:縫合不全を17例(13.8%)に認めた.うち,食道空腸縫合不全は13例,十二指腸断端縫合不全は4例であった.単変量解析では,PNIが縫合不全の有意な予測因子として選択されたが(低値14/54 vs高値3/52,p=0.018),年齢,性別,吻合方法,BMI,手術時間,出血量,術前併存疾患,開腹歴,進行度には差がなかった.Logistic重回帰分析では,PNIが縫合不全の独立危険因子として選択されたが(odds ratio=0.204(0.053-0.787),p=0.021),他の因子は選択されなかった.なお,縫合不全による術死,在院死はなく,全例保存的に軽快退院した.結語:腹腔鏡補助下胃全摘術においては,術前栄養状態が良好でないと縫合不全の危険が高いので,術前栄養状態改善,吻合部補強,十分なドレナージなどの工夫が必要である.
索引用語