セッション情報 | 口演胃腫瘍-臨床-1(外科) |
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タイトル | O-211:同時性または異時性に診断された胃悪性リンパ腫および胃癌重複例の検討 |
演者 | 池上 幸治(九州大学大学院病態機能内科学) |
共同演者 | 中村 昌太郎(九州大学大学院病態機能内科学), 江崎 幹宏(九州大学大学院病態機能内科学), 熊谷 好晃(九州大学大学院形態機能病理学), 一瀬 理沙(九州大学大学院形態機能病理学), 平橋 美奈子(九州大学大学院形態機能病理学), 松本 主之(岩手医科大学消化器内科学), 北園 孝成(九州大学大学院病態機能内科学) |
抄録 | 【目的】胃悪性リンパ腫および胃癌重複例の臨床病理学的特徴を明らかにする.【方法】1998年1月から2013年8月までに当科で診断された胃悪性リンパ腫219例(MALTリンパ腫119例,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫72例,T細胞リンパ腫17例,その他11例)のうち,同時性または異時性に胃癌の併存を確認した12例(MALTリンパ腫6例,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫3例,T細胞リンパ腫3例)を対象とし,臨床病理学的特徴を遡及的に検討した.【結果】胃癌診断時の年齢は平均69.3歳であり,男女比は10:2と非重複例に比べて男性が有意に多かった(p<0.0001).H. pylori感染は未検査のT細胞リンパ腫1例を除く全11例で陽性であった.リンパ腫診断から胃癌診断までの期間は12例中10例が2年以内であり,うち8例は6ヶ月以内で同時性重複例と考えられた.胃癌の肉眼型は0-IIa型5例,0-IIb型2例,0-IIc型3例,2型2例,組織型は分化型腺癌8例,低分化腺癌4例であり,深達度は早期癌10例(M癌8例,SM癌2例),進行癌2例(いずれもSS癌)であった.リンパ腫の治療は,H. pylori除菌4例,除菌+化学療法5例,除菌+放射線療法2例,無治療1例で,10例で寛解が得られていた.一方,胃癌治療の内訳は,内視鏡切除(EMRまたはESD)6例,外科的切除3例,無治療3例であった.胃癌診断後0.3~13.6年(平均4.5年)の経過中に5例が死亡し,死因は胃癌2例,リンパ腫2例,食道癌1例であった.【結論】H. pylori陽性胃悪性リンパ腫の診療においては,胃癌の同時性・異時性発生にも注意する必要がある. |
索引用語 |