セッション情報 口演

胃腫瘍-臨床-2(内科)

タイトル O-214:

進行胃がんに対するS-1 based sequential therapy(SBT)の有用性―臨床試験から日常臨床への新展開―

演者 森田 香織(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科)
共同演者 楢原 啓之(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 武田 陽子(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 武田 梨里(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 檀 直樹(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 安田 華世(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 斎田 美希(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 柳川 和範(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 福島 寿一(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 松本 仁(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 安永 祐一(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 乾 由明(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 河田 純男(兵庫県立西宮病院消化器内科・腫瘍内科), 濱野 梨絵(同外科), 辻江 正樹(同外科), 矢野 浩司(同外科)
抄録 【背景】進行胃がんを対象としてS-1単剤を対照群とした二剤併用療法の第3相臨床試験が行われた.サブセット解析や欧米との比較からセカンドライン以降のOSへの関与が考えられる.【方法】1.これら第3相試験のセカンドラインレジメンを検討した.2.ファーストライン臨床試験に登録された自験例89例を対象としてセカンドラインの観点から検討した.3.2009年4月から2012年1月に当院に入院した胃癌310例および2008年1月から2013年7月にTS-1を処方された340例から進行胃がん患者111例を抽出し,全施行レジメンと予後を検討した.【成績】1.臨床試験全症例でのセカンドラインへの移行率は72-83%であった.二剤併用療法後のセカンドラインレジメンはタキサン単剤が最多であった.その一方でGC0301/TOP-002試験においては,二剤併用療法後はS-1単剤27.1%,S-1単剤後はCPT-11-basedが16.9%を占めた.2.臨床試験自験例でのセカンドライン移行率は74%であった.セカンドラインの内訳はS-1併用療法(SBT)40例,他剤26例であった.ファーストラインからのOSは各々15.8,13.3カ月であり,S-1・CPT-11・タキサン3剤をすべて使用した患者群のOSが最も長い傾向にあった.3.日常診療におけるセカンドライン移行率は51%であった.セカンドライン移行症例の年齢は71歳であり,臨床試験登録例(60歳)と1レジメンのみ(76歳)の間であった.セカンドライン移行症例のOSは15.7か月と極めて良好であった.SBT群・non-SBT群ともに良好であった.施行レジメン数2レジメン・3レジメン以上のOSは,1レジメンのみに比較して各々HR 0.39,0.22と有意に延長していた(p=0.0064,p<0.0001).【結論】胃がんセカンドラインにおけるS-1 based sequential therapyの有用性が示唆された.
索引用語