セッション情報 | 口演膵癌 基礎1 |
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タイトル | O-221:膵癌VEGF発現におけるIGF-1シグナルの役割 |
演者 | 松尾 洋一(名古屋市立大学消化器外科) |
共同演者 | 柴田 孝弥(名古屋市立大学消化器外科), 森本 守(名古屋市立大学消化器外科), 佐藤 崇文(名古屋市立大学消化器外科), 坪井 謙(名古屋市立大学消化器外科), 社本 智也(名古屋市立大学消化器外科), 高橋 広城(名古屋市立大学消化器外科), 石黒 秀行(名古屋市立大学消化器外科), 若杉 健弘(名古屋市立大学消化器外科), 佐藤 幹則(名古屋市立大学消化器外科), 木村 昌弘(名古屋市立大学消化器外科), 竹山 廣光(名古屋市立大学消化器外科) |
抄録 | 【目的】我々はインスリン様成長因子(IGF-1)が膵癌の浸潤,増殖に関与していることを解明し,それにはPTENの抑制を介していることを報告した(JSR 2010).しかしながら膵癌血管新生におけるIGF-1シグナルの役割は十分に解明されていない.IGF-1による膵癌細胞のVEGF発現の変化を検討し,IGF-1/NF-kBシグナルの関与を検討した.【方法】(1)膵癌細胞株を用いて,インスリン様成長因子受容体(IGF-R)およびPTENの発現をRT-PCRおよびWestern Blot(WB)で検討した.(2)IGF-1による膵癌細胞株のPTENのリン酸化をp-PTEN ELISA kitを用いて検討した.(3)IGF-1刺激およびsiPTENによる膵癌細胞株のVEGF発現の変化をELISAで検討した.(4)IGF-1による膵癌細胞株およびsiPTEN株のNF-kBのリン酸化の変化をWBで確認した.(5)siPTENによる血管新生の変化をin vitro angiogenesis assayで検討した.【結果】(1)すべての膵癌細胞株でIGF-RおよびPTENは発現していた.(2)IGF-1でPTENのリン酸化は減少し,この効果はPI3K inhibitorで抑制された.(3)IGF-1刺激およびsiPTENの導入により膵癌細胞のVEGF発現は増加した.(4)IGF-1およびsiPTENの導入によりNF-kBのリン酸化は亢進した.(5)siPTEN導入により膵癌血管新生は亢進した.【結語】IGF-1はPI3K/PTEN/AKT/NF-kB/VEGFシグナルを介して膵癌血管新生を亢進しており,これらの制御が新たな膵癌治療のターゲットとなりうると考えられた. |
索引用語 |