セッション情報 口演

膵癌 その他

タイトル O-229:

切除不能進行膵癌におけるサルコペニア及びBMIの意義

演者 脇山 茂樹(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科)
共同演者 宇和川 匡(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 島田 淳一(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 奥井 紀光(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 熊谷 祐(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 阿部 恭平(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 飯田 智憲(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 柴 浩明(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 二川 康郎(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 遠山 洋一(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 石田 祐一(東京慈恵会医科大学肝胆膵外科), 矢永 勝彦(東京慈恵会医科大学外科学講座)
抄録 【背景】進行癌では高度の体重減少を呈する場合が多く,サルコペニア(高度の筋肉量減少)は予後因子の一つであると報告されている.しかしながら,近年,食生活の変化からBody mass index(BMI)の高い,いわゆる痩せていない進行癌患者も認められる(BMIの定義では18.5未満:痩せている).進行膵癌におけるサルコペニア及びBMIの意義の報告は少ない.【目的】切除不能進行膵癌の予後におけるサルコペニア及びBMIの意義を検討.【対象】2007年1月から2010年9月に当科で癌化学療法施行切除不能膵癌41例,男:女 29:12,平均年齢64歳,病変部位:頭部24例/体尾部17例,生存期間中央値9か月.【方法】1)Yosizumiらが報告した予測skeletal muscle面積:CT横断画像の第3腰椎レベルの予測skeletal muscle面積(Hepatol Res 2013)の70%以下をサルコペニアと定義し,サルコペニア(あり:n=21/なし:n=20)と予後の関連を検討.2)対象をBMI18.5未満(痩せ:n=10)/18.5以上(痩せていない:n=31)に分け,BMIと予後の関連を検討.3)痩せ+サルコペニア(I群:n=7)と痩せていない+サルコペニア(II群:n=14)の予後を比較検討.【結果】1)サルコペニアありは有意な予後不良因子(p<0.05).2)BMI(18.5未満/以上)と予後に有意な関連認めず(p=0.91).3)I群に比し,II群が予後不良の傾向あり(1年生存率:I群40%,II群17%,p=0.37).【結語】切除不能膵癌においては,痩せているサルコペニアに比して,やせていないサルコペニアが予後不良の可能性がある.
索引用語