セッション情報 口演

胆道癌 診断

タイトル O-232:

当院における胆道癌の重複癌の検討

演者 日比野 賢嗣(国立病院機構大阪医療センター消化器内科)
共同演者 中水流 正一(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 福富 啓祐(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 杉本 彩(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 木村 圭一(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 田村 猛(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 坂根 貞嗣(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 岩崎 哲也(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 岩崎 竜一朗(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 長谷川 裕子(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 榊原 祐子(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 山田 拓哉(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 外山 隆(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 石田 永(国立病院機構大阪医療センター消化器内科), 浅岡 忠史(国立病院機構大阪医療センター外科), 宮本 敦史(国立病院機構大阪医療センター外科), 中森 正二(国立病院機構大阪医療センター外科), 三田 英治(国立病院機構大阪医療センター消化器内科)
抄録 【目的】近年,診断技術・治療成績の向上によって胆道癌に重複癌が発見される機会が増加している.胆道癌と他臓器癌を発症した症例の臨床的特徴を検討した.【方法】2000年4月から2013年3月までに当院で胆道癌(肝内胆管癌は含まない)と診断された278例のうち,重複癌を認めた32例(11.5%)を検討した.【結果】胆道癌診断時の年齢(中央値)は71.5歳,男女比は24:8で男性が多かった.三重複癌が4例,四重複癌が2例あった.1年以内の同時性重複癌は13例,異時性重複癌は19例であった.同時性重複癌は,胆道癌の精査中に他臓器癌が発見された症例が多かった.異時性重複癌19例のうち5例は胆道癌が先行していたが,その5例は全例Stage I・IIで,根治切除後の胆道癌再発はなかった.胆道癌の内訳は,肝門部胆管癌4例,肝外胆管癌8例,乳頭部癌10例,胆嚢癌10例であった.他臓器重複癌の癌種は,大腸癌10例,胃癌7例,肝細胞癌5例,腎癌4例,肺癌2例,膵癌2例,乳癌2例,卵巣癌2例,その他4例であり,消化器癌が多い傾向であった.胆道癌の進行度はStage Iが7例,Stage II 10例,Stage III 2例,Stage IV 13例で,切除可能であった胆道癌が22例,切除不能のため化学療法が施行された症例が5例であった.48カ月の観察期間(中央値)で,全生存期間(中央値)は22.5カ月であった.【結論】今回の検討では,胆道癌における重複癌の頻度は過去の報告よりも少なかった.重複癌の癌種は消化器癌が多かったことから,消化器癌を中心とする他臓器悪性腫瘍の合併を念頭において診療するべきと考えられた.また,胆道癌の重複癌は約40%が同時性であったことから,胆道癌診断時に他臓器癌を合併している可能性を十分に考慮して全身検索する必要があると考えられた.
索引用語