セッション情報 口演

胆道癌 化学療法

タイトル O-237:

全身化学療法を行った胆嚢神経内分泌癌2例の検討

演者 塩賀 太郎(東京女子医科大学消化器内科)
共同演者 清水 京子(東京女子医科大学消化器内科), 貝瀬 智子(東京女子医科大学消化器内科), 門前 正憲(東京女子医科大学消化器内科), 長尾 健太(東京女子医科大学消化器内科), 田原 純子(東京女子医科大学消化器内科), 高山 敬子(東京女子医科大学消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器内科), 樋口 亮太(東京女子医科大学消化器外科), 山本 雅一(東京女子医科大学消化器外科), 古川 徹(東京女子医科大学統合医科学研究所), 柴田 亮行(東京女子医科大学第一病理学)
抄録 胆嚢原発の神経内分泌腫瘍(NET)は全NETの約0.5%と稀な疾患である.今回,胆嚢原発のNETに対して全身化学療法を施行した2例について報告する.【症例1】70歳男性,閉塞性黄疸にて受診.腫瘍は胆嚢から肝臓に広範囲に浸潤し,鎖骨リンパ節転移の生検結果はneuroendocrine carcinoma(NEC)であった.胆嚢原発のNECと診断し,シスプラチンとイリノテカン併用療法(IP療法)を開始した.2ヶ月後の画像所見と腫瘍マーカー(NSE)は著明に改善し,PRであったが,その1ヶ月後より癌性腹膜炎による腹水貯留のためIP療法は3コースで中断.IP療法開始約4ヶ月後に死亡した.病理解剖の結果でもNEC,small cell type,免疫染色ではAKT発現陽性,pAKT発現弱陽性であった.【症例2】64歳女性,2年前に総胆管結石に対して内視鏡的乳頭切開術施行.定期検診の腹部USで胆嚢腫瘍を指摘.肝転移巣からの生検で胆嚢原発NEC,肝直接浸潤と診断し,肝外胆道切除再建術と肝中央区域切除術を施行.切除標本の病理診断はadenoendocrine cell carcinomaであった.免疫染色ではAKT発現陽性,pAKT発現弱陽性であった.術後よりシスプラチン+エトポシド(PE療法)を開始したが,5コース後に肝転移巣の増加を認めたためIP療法に変更した.しかし,3コース後に全身状態悪化し,化学療法開始8ヶ月後に死亡した.考察:NECの主たる化学療法はIP療法,PE療法であるが,胆嚢NECは症例数が少なく化学療法の検討は十分でない.AKT発現陽性,pAKT発現弱陽性であったことから,今回の発表にてmTORとその下流シグナルについても報告する.結語:IP療法,PE療法以外の化学療法についての検討も必要である.
索引用語