セッション情報 口演

胆道 その他

タイトル O-240:

胆道疾患における造影超音波検査の有用性の検討

演者 橋本 千樹(藤田保健衛生大学肝胆膵内科)
共同演者 川部 直人(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 中野 卓二(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 菅 敏樹(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 中岡 和徳(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 大城 昌史(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 高川 友花(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大学肝胆膵内科)
抄録 【目的】ソナゾイドによる造影超音波検査は血流評価に優れた検査法の一つであるが,胆道疾患の診断にはソナゾイドによる造影超音波検査は保険適応となっていない.今回我々は当院の倫理委員会の承認を得て胆道疾患の診断における造影超音波検査の有用性を検討した.【対象と方法】2007年1月から2013年3月までに当院で造影超音波検査を行った胆道疾患症例152例を対象とした.内訳は胆嚢癌31例,胆管癌20例,胆嚢コレステロールポリープ21例,胆嚢腺筋腫20例,胆石,胆泥12例,硬化性胆管炎11例など.主な使用機種はGE社製LOGIQ E9で,超音波造影剤ソナゾイド0.01ml/Kgを静注後,5分まで病変部を観察した.プローブはC1-5,または9Lを使用した.造影超音波の所見を,他の画像診断所見や生検,手術病理所見と比較し病変の血流動態や鑑別診断能につき検討した.なお造影超音波検査は当院の倫理委員会の承認を得て患者の同意を得て行った.【成績】胆嚢癌では樹枝状に広狭不整な血管が染影され,腫瘍全体が濃染した.また後血管相では肝浸潤の有無や境界が明瞭となった.胆管癌も腫瘍全体が比較的強く染影された.胆嚢コレステロールポリープでは,基部に直線状の血管が描出され全体が淡く染影された.胆嚢腺筋腫では肥厚した胆嚢壁が染影し,壁の輪郭や内部のRASが明瞭となった.胆石,胆泥は無染影で癌との鑑別が容易になった.硬化性胆管炎は胆管壁の均一な染影を認めた.【結論】ソナゾイドを用いた造影超音波検査は,簡便で副作用の少ない安全な検査法である.胆道疾患においても,病変の血流動態を評価できることより疾患の鑑別診断,癌の進展度診断に有用な情報が得られる.
索引用語