セッション情報 | 口演大腸 炎症 基礎 |
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タイトル | O-245:潰瘍性大腸炎手術症例における回腸粘膜内forkhead box protein遺伝子発現の意義 |
演者 | 大北 喜基(三重大学消化管・小児外科学) |
共同演者 | 荒木 俊光(三重大学消化管・小児外科学), 藤川 裕之(三重大学消化管・小児外科学), 川村 幹雄(三重大学消化管・小児外科学), 北嶋 貴仁(三重大学消化管・小児外科学), 近藤 哲(三重大学消化管・小児外科学), 志村 匡信(三重大学消化管・小児外科学), 井上 幹大(三重大学消化管・小児外科学), 問山 裕二(三重大学消化管・小児外科学), 小林 美奈子(三重大学先端的外科技術開発学), 大井 正貴(三重大学先端的外科技術開発学), 田中 光司(三重大学消化管・小児外科学), 井上 靖浩(三重大学消化管・小児外科学), 内田 恵一(三重大学消化管・小児外科学), 毛利 靖彦(三重大学消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大学消化管・小児外科学) |
抄録 | 【背景】近年,潰瘍性大腸炎に関連するとされるいくつかの遺伝子が同定されてきている.一方でforkhead遺伝子であるforkhead box protein A2(FOXA2)およびFOXA3は,組織の炎症や薬剤感受性の調節への関与が報告されているが,潰瘍性大腸炎に対する関連については明らかにされていない.【目的】潰瘍性大腸炎手術例において,回腸粘膜に発現するFOXA2およびFOXA3の意義を明らかとすることとした.【対象と方法】2004年から2010年の間に潰瘍性大腸炎に対して大腸全摘術施行された症例のうち,回腸末端部の粘膜組織が得られた66例を対象とした.粘膜組織よりtotal RNAを抽出し,real time PCR法でFOXA2およびFOXA3の発現を定量化し,周術期の臨床病理学的因子との関連を検討した.【成績】回腸粘膜のFOXA2およびFOXA3おける発現量は患者の年齢,性別,潰瘍性大腸炎の病型・罹患範囲,罹患年数,手術適応,手術方法,術後感染性合併症,あるいはHbを除く術前血液検査データとの関連は認められなかった.また,術前の5-ASA,免疫調節剤,血球成分除去療法の有無との関連も認められなかった.しかしながら,FOXA2高発現群は有意に術前Hgが低値(10.4 vs 11.5 g/dl,p=0.033)で,FOXA3高発現群は術前総ステロイド投与量が有意に少なかった(12.3 vs 24.3 g/body,p=0.039).また,術後回腸嚢炎発生群ではFOXA2が有意に高発現であった(1.33 vs 0.86,p=0.014).【結論】潰瘍性大腸炎手術症例において,回腸粘膜に発現するFOXA2は術後の回腸嚢炎発生に,またFOXA3は術前の総ステロイド投与量との関連が示唆された. |
索引用語 |