セッション情報 | 口演大腸 炎症 基礎 |
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タイトル | O-248:大建中湯のMicrobiomeを介した抗炎症作用発現メカニズムの解明 |
演者 | 吉川 幸造(徳島大学消化器・移植外科) |
共同演者 | 江藤 祥平(徳島大学消化器・移植外科), 西 正暁(徳島大学消化器・移植外科), 島田 光生(徳島大学消化器・移植外科), 栗田 信浩(徳島大学消化器・移植外科), 岩田 貴(徳島大学消化器・移植外科), 佐藤 宏彦(徳島大学消化器・移植外科), 東島 潤(徳島大学消化器・移植外科), 近清 素也(徳島大学消化器・移植外科), 柏原 秀也(徳島大学消化器・移植外科), 高須 千絵(徳島大学消化器・移植外科), 松本 規子(徳島大学消化器・移植外科) |
抄録 | 【目的】大建中湯(DKT)はイレウス等に対して運動機能改善目的に広く用いられている.我々は既にDKTの抗炎症効果を介したBacterial translocaion予防効果を報告している.今回そのメカニズムにmicrobiomeが関与している事が示されたために報告する.【方法】1.絶食ラットモデル:絶食群,DKT投与群(100,300,1000mg/kg)に分け,5日間の絶食ストレスを与えた.腸管内炎症性サイトカイン,絨毛の数と高さを検討した.2.CPT-11投与モデル:対照群,CPT-11投与群(CPT-11 150mg/kg,2日間腹腔内投与),CPT-11+DKT(300mg/kg経口投与 5日間)投与群に分け腸管粘膜障害と炎症性サイトカインを計測した.microbiomeは両モデルでストレス前後の便を採取し,DNAを抽出し断片多型性解析で検討した.多様性は細菌のクラスター数(Operational taxonomical unit:OTU)を計測し,変化率で評価した.【結果】1.絶食ラットモデル:投与群でIFN-γ,TNF-α,IL-6の上昇を有意に抑制し,絨毛の数・高さはDKT投与により維持された.microbiomeの検討では絶食開始前後でOTU数が111から46へと低下し(58%減少)多様性が失われたがDKT投与でOTU数は52から55(6%上昇)となり多様性を維持した.2.CPT-11投与モデル:絨毛の数・高さはDKT投与により維持された.IL-1β,TNFαで上昇抑制効果が認められた.microbiomeの検討では,腸内細菌叢の変化では,腸粘液の主成分であるムチンを分解するグラム陰性菌のAkkermansia muciniphilaがCnt群の2匹で検出されたが,DKT群では検出されず,DKTが腸管の粘液バリアを健常に保つ働きをしている可能性が示唆された.また,DKT群では糞便内細菌叢における優勢菌である酢酸を産生するBlautiaの増加を認めた.【結語】DKTはmicrobiomeの多様性の維持および変化させることで抗炎症効果を発現する事が示された. |
索引用語 |