セッション情報 | 口演大腸 炎症 基礎 |
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タイトル | O-249:DSS誘導腸炎マウスにおいて酪酸はMFG-E8を介して炎症を軽減する |
演者 | 三代 剛(島根大学医学部内科学第二講座) |
共同演者 | 楠 龍策(島根大学医学部内科学第二講座), 佐藤 秀一(島根大学医学部内科学第二講座), 石原 俊治(島根大学医学部内科学第二講座), 木下 芳一(島根大学医学部内科学第二講座) |
抄録 | 【目的】 短鎖脂肪酸の一種である酪酸は,主要な食物繊維の腸内細菌発酵産物の一つである.酪酸は腸粘膜のホメオスタシス維持に重要な役割を果たしており,加えてvitro及びvivoにおいて強力な抗炎症作用を有する事が報告されている.ただし,これらの正確な機序は完全には解明されていない.我々はマウス腸炎モデルを用いて,MFG-E8を介した酪酸の治療的役割を検討した. 【方法】 腸上皮細胞を酪酸にて刺激し,その後全RNAを抽出し,マイクロアレイチップにサンプルをハイブリダイズさせた.また実験モデルマウスへのMFG-E8を介した酪酸の効果を確認する目的に,C57BL/6N(MFG-E8+/+)マウス及びMFG-E8-/-マウスへそれぞれ酪酸の直腸内投与を行った.腸内細菌叢の構成はDGGE法及びシークエンス法にて解析し,またマウス結腸サンプル中の炎症性サイトカインを測定する為にELISA法を用いて解析を行った. 【結果】 マイクロアレイ法にて発現変化を示した遺伝子のうち,MFG-E8は約5倍の上昇を示していた.またMFG-E8プロモーター領域におけるヒストンH3K9アセチル化レベルが,有意に時間依存的に酪酸刺激により増加していた.WTマウス及びMFG-E8-/-マウスでの腸内細菌叢構成は顕著な差は認められなかったが,腸炎急性期における酪酸直腸内投与はWTマウスでのみ炎症所見と体重減少の軽減を認めた. 【結論】 我々は,マウスDSSモデルにおける腸炎に対して,酪酸が部分的にMFG-E8を介して強力な抗炎症効果を発揮するという新たな知見を示した. |
索引用語 |