セッション情報 口演

膵 IPMN 1

タイトル O-260:

BD-IPMN経過観察例の検討

演者 安藤 暢洋(岐阜県総合医療センター)
共同演者 安田 一朗(岐阜大学第一内科), 森脇 久隆(岐阜大学第一内科), 丸田 明範(岐阜県総合医療センター), 山内 貴裕(岐阜県総合医療センター), 岩田 圭介(岐阜県総合医療センター), 杉原 潤一(岐阜県総合医療センター), 中島 賢憲(岐阜市民病院消化器科), 向井 強(岐阜市民病院消化器科), 冨田 栄一(岐阜市民病院消化器科), 馬淵 正敏(岐阜大学第一内科), 上村 真也(岐阜大学第一内科), 土井 晋平(岐阜大学第一内科), 岩下 拓司(岐阜大学第一内科)
抄録 新ガイドラインではBD-IPMNは手術適応がより控えめになった.一方でBD-IPMNそのものが膵癌の危険因子である事が報告され,経過観察中にはIPMNの進行だけでなく併存膵癌の早期発見も重要視される.【対象/方法】2006年9月から2011年12月までにEUSでIPMNが疑われた240例中ERCP等の画像検査によって嚢胞径が5mm以上で,膵管と交通/粘液の存在が確認された症例をBD-IPMNと診断し,初回時に手術せず1年以上経過観察された93例.1cm以上の嚢胞径増大/2mm以上の主膵管径増大/結節出現や増大を進行とした.【結果】男/女:41/52,年齢38~83歳(中央値69歳),主病変:頭部35/体部41/尾部9/鉤部8,嚢胞径5.8~80mm(18mm),主膵管径0.8~9mm(2.3mm),結節有22例/無71例,結節高1~16.1mm(3.6mm),経過観察期間12~73ヶ月(25ヶ月),最終転帰:生存83/死亡2(他疾患)/脱落8.進行例は10例(10.8%),内訳は嚢胞径増大6例/主膵管径増大4例/結節出現1例(重複含).進行までの日数は235~1770日(802日)であった.10例中5例に手術が施行され病理診断はlow-intermediate/high/invasive:3/1/1.worrisome featuresの重要項目である嚢胞径≧3cm/主膵管径5-9mm/結節有症例における進行例の頻度は23.8%/60%/18.2%で,主膵管径5-9mmで有意に進行例が多かった.一方で嚢胞径3cm未満/主膵管径5mm未満/結節無であった53例の中で進行例は1例(1.9%)であった.ガイドライン上経過観察該当例は71例で,嚢胞径別に検討すると2cm未満では認めず(0/44例),2cm以上で22.2%(6/27例)と有意な差を認めた.6例中進行確認までの最短日数は235日.術後残膵再発や通常型膵管癌の発生は認めないが他臓器癌を17例に認めた.【結語】BD-IPMNの進行率は10.8%と比較的低く,worrisome featuresを認めない場合は1.9%と極めて低い.嚢胞径別の進行率は2cmを境に有意な差を認め検査間隔について今後検討すべきと思われる.
索引用語