セッション情報 口演

膵 IPMN 2

タイトル O-267:

IPMNにおけるreprimo遺伝子メチル化異常と発癌の関連

演者 中里 徹矢(杏林大学外科(消化器・一般))
共同演者 鈴木 裕(杏林大学外科(消化器・一般)), 横山 政明(杏林大学外科(消化器・一般)), 阿部 展次(杏林大学外科(消化器・一般)), 正木 忠彦(杏林大学外科(消化器・一般)), 森 俊幸(杏林大学外科(消化器・一般)), 杉山 政則(杏林大学外科(消化器・一般))
抄録 【背景】通常型膵癌においてcell cycle G2 arrestに関わるreprimo遺伝子との関連が示され,reprimo遺伝子プロモーター領域のメチル化が発癌との関連や予後不良因子であると報告されている.一方でIPMNにおけるreprimo遺伝子メチル化と発癌や臨床病理学的因子との関係は明らかでない.【目的】IPMNにおけるreprimo遺伝子プロモーター領域のメチル化状態を解析し,臨床病理学的因子との関連を明らかにする.【対象】外科的切除されたIPMN37例(IPMA29例,IPMC8例)を対象とした.【方法】対象症例切除標本のパラフィン包埋切片よりDNAを抽出.Bisulfite処理後にMethylation specific PCR(MSP)法を用いreprimo遺伝子プロモーター領域のメチル化状態を調べた.また,reprimo蛋白発現の評価を免疫染色で行った.reprimo遺伝子のメチル化の有無と対象症例の年齢,性別,subtype,組織異型度,その他臨床病理学的因子との関連を検討した.【結果】IPMN38例はIPMA29例(低異型18例,中異型10例,高異型1例),IPMC8例で,男性26例,女性12例,平均年齢63歳であった.分枝型1例,主膵管型15例,混合型22例であった.異型度別では低異型5例(18%),中異型4例(40%),高異型1例(100%),IPMC6例(75%)であった.低中異型と高異型・癌の2群に分けると高異型・IPMC群で有意にreprimoのメチル化頻度が高かった(p=0.024).【結語】IPMNにおけるreprimo遺伝子のメチル化頻度は低中異型度に比べ高異型度・IPMC群で有意に高く,IPMNの発癌にreprimo遺伝子のメチル化が関与すると考えられた.
索引用語