セッション情報 口演

膵 IPMN 3

タイトル O-272:

分枝型IPMN 766例の臨床経過から見る由来癌および併存癌の出現状況

演者 北川 翔(札幌厚生病院第2消化器科)
共同演者 宮川 宏之(札幌厚生病院第2消化器科), 長川 達哉(札幌厚生病院第2消化器科), 平山 敦(札幌厚生病院第2消化器科), 岡村 圭也(札幌厚生病院第2消化器科), 奥 大樹(札幌厚生病院第2消化器科), 松薗 絵美(札幌厚生病院第2消化器科)
抄録 【目的】分枝型IPMNの癌化率およびその出現状況を明らかにする.
【方法】当院での2001年から2012年における分枝型IPMNのうちMRCPで膵管との交通が確認できる嚢胞径10mm以上の766例を対象とし,その臨床経過についてretrospectiveに検討した.
【結果】初診時の段階でIPMCへの進展を疑われ切除となった例が10例(うち3例は病理でIPMA),非切除となった例が9例,通常型膵癌に合併した例を26例認め,初診時のIPMC進展率は2.1%,通常型膵癌合併率は3.4%であった.経過観察とした721例のうち12か月以上経過観察されていたのが423例(58.7%)であった.これら経過観察例423例のうちIPMCへの進展を14例(3.3%)に認め,併存癌の出現を24例(5.7%)に認めた.IPMC診断時の年齢は71.6±7.4歳で観察期間中央値は55.0か月(45.5~83.3),併存癌診断時の年齢は74.2±5.9歳で観察期間中央値は85.5か月(42.5~113.0)であり,IPMCへの進展は年率0.72%,併存癌の出現は年率1.24%であった.
【結論】分枝型IPMNはIPMCへの進展および併存癌の出現を合わせると年率約2%の癌化リスクを有するが,高齢者に長期間の観察を要することも示唆された.
索引用語