セッション情報 口演

肝診断

タイトル O-276:

異なる機種を用いた超音波弾性法と血清マーカーELFスコアによる肝線維化診断の有用性

演者 高嶋 智之(兵庫医科大学内科学肝胆膵科)
共同演者 飯島 尋子(兵庫医科大学超音波センター), 會澤 信弘(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 石井 紀子(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 中野 智景(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 由利 幸久(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 青木 智子(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 楊 和典(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 石井 昭生(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 橋本 健二(兵庫医科大学超音波センター), 坂井 良行(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 岩田 一也(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 池田 直人(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 田中 弘教(兵庫医科大学超音波センター), 岩田 恵典(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 榎本 平之(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 齋藤 正紀(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 中島 収(久留米大学病理学), 矢野 博久(久留米大学病理学), 西口 修平(兵庫医科大学内科学肝胆膵科)
抄録 【目的】肝線維化は肝生検で確定診断されるが,侵襲的等問題がある.我々は超音波線維化診断法Virtual Touch Quantification(VTQ)を中心に検討している.今回,異手法のFibroscan,Shear Wave Elastgraphy(SWE)の有用性も検討,また新血清診断法であるEnhanced Liver fibrosis panel(ELF)も検討した.【方法】2008年10月~2013年8月肝生検と同日にVTQでVs値(m/s)を測定した慢性肝疾患1053例を対象.線維化(F)は,F0 55,F1 416,F2 194,F3 203,F4 189例である.VTQとELFを同日に測定した338例を対象にELFスコアの有用性を検討,ELFスコアは血清ヒアルロン酸,P3P,TIMP-1のアルゴリズムにより算出した.また,肝生検と同日に検査したFibroscan287例,SWE283例を対象に検討した.【結果】F因子別のVTQによる平均Vs値F0;1.18,F1;1.20,F2;1.35,F3;1.55,F4;2.19.ELFスコアF0;8.55,F1;9.01,F2;9.87,F3;10.77,F4;11.31であった.Fibroscanによる平均kPa値F0;4.46,F1;6.10,F2;8.08,F3;12.21,F4;23.46.SWEによる平均Vs値F0;1.42,F1;1.52,F2;1.74,F3;1.90,F4;2.64といずれも線維化の進展に伴い増加した.肝硬変の診断能はVTQ,ELFそれぞれAUROC 0.887,0.867と良好な判別能を得た.Cut off値をVTQ1.60,ELFスコア10.0とした感度,特異度,陽性的中率はそれぞれVTQ81%,87%,56%,ELF95%,68%,42%であった.Fibroscan,SWEの肝硬変診断能もそれぞれAUROC 0.905,0.915と良好な判別能がえられ,VTQとの相関係数はそれぞれ0.770,0.758と有意な相関を示した(P<0.001).【結論】超音波による肝線維化診断VTQ,Fibroscan,SWEは有用でELFスコアを含め非侵襲的線維化診断法である.
索引用語