セッション情報 | 口演肝診断 |
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タイトル | O-277:門脈圧亢進症におけるVTTQ(Virtual-Touch Tissue Quantification)の有用性 |
演者 | 松井 哲平(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科) |
共同演者 | 永井 英成(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 中野 茂(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 荻野 悠(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 佐藤 綾(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 松井 太吾(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 松清 靖(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 高亀 道生(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 金山 政洋(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 和久井 紀貴(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 籾山 幸一(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 渡邉 学(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 石井 耕司(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 五十嵐 良典(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 住野 泰清(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科) |
抄録 | 【背景】門脈圧亢進症において,肝静脈圧較差(HVPG)が12mmHgを超えると静脈瘤破裂や肝性脳症の発現リスクが高まるとされている.またVirtual-Touch Tissue Quantification(VTTQ)は,肝線維化の指標になりうるとされている.【目的】VTTQを測定することにより,HVPGおよび食道静脈瘤(EV)出現の予測が可能かどうかを明らかにする.【対象】2012年11月から2013年9月までに,当院へ入院した門脈圧亢進症例23例.【方法】VTTQはACUSON S2000(シーメンス社)を用いて測定し,HVPGは内頚静脈からのバルーンカテーテル法で肝静脈圧を測定して算出すると共に,上部消化管内視鏡検査を行いEVの有無を観察し,F0~F3にその形態を分類した.また,早朝空腹時に採血を行い,ヒアルロン酸,IV型コラーゲン,P-III-Pを測定した.【結果】症例の内訳は,肝硬変21例(HCV5例,HBV1例,NASH3例,PBC1例,Alcohol 11例),うっ血肝1例,急性肝障害1例.VTTQと血小板,P-III-Pは相関を認めなかったが,VTTQとヒアルロン酸,IV型コラーゲンは有意な正の相関を認めた.さらにVTTQとHVPGが有意な正の相関を認めたことから,VTTQとHVPGとの回帰式からHVPG12mmHgがVTTQ2.57に相当する値(SV)と判断し,SVとのEVのF因子の関係を検討した.SV以上ではF0/1/2/3=2/6/3/3(n=14)であったのに対し,SV以下ではF0/1/2/3=4/4/1/0(n=9)であり,SV以上であるとF因子の悪化する傾向が認められた.【結語】門脈圧亢進症例におけるVTTQ測定値は,肝線維化マーカーの悪化と共に上昇することが再確認された.また,VTTQは門脈圧を予測する非侵襲的なツールとなりえ,その値はHVPGおよびEVの悪化を予測し得る可能性が示唆された. |
索引用語 |