セッション情報 口演

肝診断

タイトル O-279:

3剤併用療法にてSVRが得られたC型肝炎症例におけるフィブロスキャン測定値の推移に関する検討

演者 三上 繁(キッコーマン総合病院内科)
共同演者 若松 徹(キッコーマン総合病院内科), 大西 和彦(キッコーマン総合病院内科), 清水 史郎(キッコーマン総合病院内科), 秋本 政秀(キッコーマン総合病院内科)
抄録 【目的】Telaprevir,Ribavirin,PEG-IFNα2bの3剤併用療法にてSVRが得られたC型肝炎症例の経過観察におけるフィブロスキャンの有用性を検討するため測定値の推移について検討した.【対象・方法】当院にて3剤併用療法を施行しSVRが得られ治療前後にフィブロスキャンを施行した19例を対象とした.年齢は58.8±9.2歳(31~69歳,中央値62歳).性別は男14例,女5例.治療前のASTは63.2±63.5 U/L(中央値47 U/L),ALTは81.6±89.3 U/L(中央値40 U/L)であった.【成績】フィブロスキャンの測定値は,治療前14.4±6.8 kPa(5.3~32.4 kPa,中央値12.6 kPa)で,治療後の各症例の最新の測定値は8.4±3.7 kPa(3.3~15.4 kPa,中央値8.8 kPa)であった.そのうち治療後6ヵ月以上経過した後に測定できた18例について検討すると,治療前14.4±7.0 kPa(中央値12.2 kPa),治療後8.1±3.6 kPa(中央値8.4 kPa)であった.経過観察期間別に検討すると,治療後3ヵ月で測定した症例では,治療前15.8±4.1 kPa(中央値15.7 kPa),治療後12.5±4.2 kPa(中央値12.4 kPa).治療後6ヵ月で測定した症例では,治療前14.6±7.2 kPa(中央値12.6 kPa),治療後9.8±6.1 kPa(中央値10 kPa).治療後1年で測定した症例では,治療前18.0±7.5 kPa(中央値17.1 kPa),治療後7.3±3.3 kPa(中央値7.9 kPa)であった.いずれにおいても測定値の改善がみられ,特に観察期間が長くなるほど改善している傾向が認められた.【結論】3剤併用療法にてSVRが得られたC型肝炎症例において経時的にフィブロスキャンを施行することは線維化改善の経過観察に有用であることが示唆された.
索引用語