セッション情報 口演

HCC画像

タイトル O-282:

門脈血流を有するGd-EOB-DPTA造影MRI(EOB-MRI)肝細胞相で低信号の結節の意義

演者 後藤 亨(大森赤十字病院消化器内科)
共同演者 須藤 拓馬(大森赤十字病院消化器内科), 河野 直哉(大森赤十字病院消化器内科), 芦苅 圭一(大森赤十字病院消化器内科), 関 志帆子(大森赤十字病院消化器内科), 鶴田 晋佑(大森赤十字病院消化器内科), 高橋 昭裕(大森赤十字病院消化器内科), 千葉 秀幸(大森赤十字病院消化器内科), 井田 智則(大森赤十字病院消化器内科), 諸橋 大樹(大森赤十字病院消化器内科), 川並 義也(富士フイルム健康管理センター), 横山 知子(富士フイルム健康管理センター), 志和 忠志(富士フイルム健康管理センター)
抄録 【目的】慢性肝疾患においてEOB-MRIの肝細胞相で低信号を呈し,門脈血流が低下している乏血性結節は,異型結節から早期肝細胞癌の可能性が高いとされており臨床的に重要である.しかし門脈血流が低下していない結節についての意義は不明である.今回同結節の経過を観察しその意義に検討した.【方法】平成23年6月から24年12月までEOB-MRI肝細胞相で低信号を呈した結節のうち,門脈血流の低下を認めなかった16例(男:女9:7,65.9±8.3歳),18結節(8.4±3.1mm 5-12(range))を対象とし,その後の経過を観察した.門脈血流の評価は全例血管造影を行い,門脈造影下Cone-Beam CT(CB-CTAP)を撮像して評価した.観察終了日は,多血性HCCを認めた日もしくは最終画像診断を行った日とし,再発率を算出した.なお経過観察の画像診断は可能な限りEOB-MRIで行ったが,造影CTで代用したものもあった.【成績】血管造影を施行した理由は全て他部位の癌の診断目的であった.施行時他部位に癌を合併していたものは13結節であった.背景の肝疾患はHB5結節,HCV7結節,アルコール性4結節その他2結節であった.観察期間は13.2±6.4月最長24か月で,対象結節のうち多血性HCCへ進展したものは3結節で,それぞれ10,10,22月後であった.残りの15結節のうち観察期間中に他部位に癌が発生したものは5結節存在した.多血化へ進展しなかったもののうちEOB-MRIで経過を終えた10結節は増大1結節,消失3結節で,残り6結節は不変であった.累積多血化発生率は1年で17%であった.【結論】門脈血流を有するEOB-MRI肝細胞相で低信号を呈する結節の中には多血性HCCへ進展するものがあり,厳重な経過観察が必要と考えられた.
索引用語