セッション情報 口演

AIH・PBC

タイトル O-287:

薬物誘導性肝障害の臨床的,病理学的所見の検討―急性発症型自己免疫性肝炎との比較―

演者 關 伸嘉(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科)
共同演者 杉田 知典(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 会田 雄太(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 板垣 宗徳(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 安部 宏(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 須藤 訓(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 相澤 良夫(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科)
抄録 【背景・目的】薬物誘導性肝障害(DIHI)はDDW-J2004診断基準,自己免疫性肝炎(AIH)はInternational Autoimmune Hepatitis Group,1999のスコアが診断に有用とされるが,急性発症型自己免疫性肝炎(AOAIH)には非典型例も少なくなく,確定診断に肝障害を生じうる他の病因の否定が重要な両疾患の鑑別困難例も存在する.そこで,DIHIの臨床的,病理学的特徴を検討し,AOAIHとの違いを明らかにする.【対象と方法】2000年4月以降に肝生検を実施した,胆汁うっ滞型を除くDIHI33例の臨床所見と組織所見の特徴について検討し,AOAIH32例と比較した.【結果】DIHIは女性18例,男性15例,年齢は20-89歳,AST,ALTの最高値はそれぞれ82-2437,60-3202,γ-GTP 48-3170,総ビリルビン0.4-27.5,アルブミン最低値2.7-4.8,PT30-100%で,IgG値988-3165.抗核抗体(ANA)力価は0-320倍で40倍未満陰性は14例(42.4%)であった.AOAIHに比しDIHIは男性の頻度が有意に高く,ALT,総ビリルビンが有意に高値であったが,IgG値は低値傾向を認めるも有意差なく,ANA力価・陽性率にも有意差を認めなかった.DIHI,AOAIHの生検所見はそれぞれ,広範壊死:2例,4例,小葉中心帯壊死:5例,10例,小葉炎:24例,2例,慢性活動性肝炎:1例,15例,慢性活動性肝炎+小葉中心帯壊死:1例,1例で,DIHI4例にステロイド短期導入され中止後も再燃を認めなかった.AOAIHは全例でステロイド治療導入,1例は当初DIHIと診断したがステロイド減量中に再燃しretrospectiveにAOAIHと診断した.【結論,考案】DIHIはAOAIHとは臨床検査所見の特徴が異なるが一部重複し,両者の鑑別にANAやIgG値の有用性は低い.組織学的には,DIHAは小葉炎に比してinterface hepatitisが軽微な症例が多いがAOAIHとの鑑別困難例も認め,両者の鑑別には詳細な薬物(健康食品も含む)摂取歴の調査が必須で,短期間ステロイド投与に対する反応性(減量,中止による再燃,再発の有無)からretrospectiveに診断せざるを得ない場合もある.
索引用語