セッション情報 口演

C型肝炎1

タイトル O-291:

C型慢性肝炎に対するテラプレビル併用3剤療法における皮膚障害と高尿酸血症治療薬との関連について

演者 佐藤 秀一(島根大学医学部附属病院消化器肝臓内科)
共同演者 矢﨑 友隆(島根県立中央病院消化器科), 高下 成明(島根県立中央病院消化器科), 内田 靖(松江赤十字病院検査部), 河野 通盛(松江市立病院消化器科), 堀江 裕(済生会江津総合病院内科), 古田 晃一朗(益田地域医療センター医師会病院内科), 岡本 栄祐(益田赤十字病院内科), 三宅 達也(島根大学医学部附属病院消化器肝臓内科), 飛田 博史(島根大学医学部附属病院消化器肝臓内科), 齋藤 宰(島根大学医学部附属病院消化器肝臓内科), 金藤 英二(大田市立病院内科), 木下 芳一(島根大学医学部附属病院消化器肝臓内科)
抄録 【背景】C型慢性肝炎に対するテラプレビル(TPV)併用3剤療法は高いSVRを有する半面,副作用が従来の治療に比べて高率でそのグレードも高いことが報告されている.その中でもTPV併用で注意喚起されているのが高度貧血,高尿酸血症,腎機能障害,皮膚障害である.高尿酸血症に用いられるアロプリノール(以下ALLOP)は,従来より単独投与でも皮膚障害が多いことが知られている.そこで今回我々は,高尿酸血症治療薬剤と皮膚障害との関連を調査した.【方法】対象は島根県内でC型慢性肝炎に対してテラプレビル併用3剤療法が施行された114例のうち,有害事象に関して解析可能な62例に関してテラプレビル投与量と治療中の尿酸値変動,高尿酸血症治療薬の有無および治療薬と皮膚障害の関連に関して検討した.【結果】治療中の血中尿酸値はTPV2250mg投与例が1500mg投与例に比べて高値で推移し,6週目では7.25 vs 5.47(mg/dl),P=0.004と最も差が大きかった.治療期間中高尿酸血症治療薬投与なしは26例,ALLOP投与は26例,フェブキソスタット(以下FEBUX)投与は10例であった.皮膚障害は37例(59.7%)でグレード1が27例,グレード2が10例であった.グレード2の皮膚障害出現時ALLOP投与中であった症例は7例でFEBUX投与例ではグレード2の皮膚障害はみられなかった.グレード2の皮膚障害に影響する因子をALLOP使用の有無,年齢,性別,テラプレビルおよびリバビリン開始時投与量で多変量解析すると,ALLOPは有意な独立因子であった.【結論】C型慢性肝炎に対するテラプレビル併用3剤療法において,アロプリノール使用例にはグレードの高い皮膚障害が多くなる可能性があると考えられた.
索引用語