セッション情報 | 口演C型肝炎2 |
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タイトル | O-294:C型慢性肝炎患者におけるPNPLA3遺伝子の肝線維化,発癌に対する影響―ARFIによる検討― |
演者 | 中岡 和徳(藤田保健衛生大学肝胆膵内科) |
共同演者 | 高川 友花(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 大城 昌史(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 菅 敏樹(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 中野 卓二(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 川部 直人(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 橋本 千樹(藤田保健衛生大学肝胆膵内科), 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大学肝胆膵内科) |
抄録 | 【目的】PNPLA3遺伝子はNASH患者の肝線維化に強い影響がある.C型慢性肝炎患者においてPNPLA3遺伝子の肝線維化,肝癌発症に対する影響を検討した.【方法】2010年5月~2012年10月に当院を受診したC型慢性肝炎患者を対象とした.IFN治療歴患者の内SVR例,relapser例はNVR例や未治療例と比べ肝線維化が改善し,発癌率も低いため除外し,対象はNVR例と未治療例の231例とした.肝線維化は,Acoustic Radiation Force Impulse(ARFI)によるせん断弾性波の伝播速度(Velocity of shear wave;Vs)を評価した.Vs(m/s)値のF4のCut-off値を1.55m/sとした(Sporea I, et al. Eur J Radiol.2012;81:4112).【結果】平均年齢は62.9±11.3歳,男女比は103:128,HCV遺伝子型1/2/3/は188/41/2,PNPLA3遺伝子型CC/CG/GGは118/72/41.HCC患者は48例.PNPLA3遺伝子型をCC・CG群とGG群に分けた.Vs値1.55 m/s以上(117例)の群と1.55 m/s未満(114例)の群とを単変量解析で比較すると年齢(P<0.0001),BMI(P<0.0001),HCV遺伝子型(P=0.0283),PNPLA3(P=0.0318),PLT(P<0.0001),AST(P<0.0001),ALT(P=0.0195)Alb(P<0.0001),PLT(P<0.0001),PT(P<0.0001),ヒアルロン酸(P<0.0001),AFP(P=0.0452)に有意差が認められた.後天的な因子の影響を除くため年齢,性別,HCV遺伝子型,PNPLA3に絞りVs値に影響する因子を多変量解析で検討すると年齢(P<0.0001),PNPLA3(P=0.042)が独立因子として選択された.HCC症例(48例)と非HCC症例(183例)ではPNPLA3は単変量解析(P=0.002)で有意差を認め,上記と同様の項目で多変量解析で検討するとPNPLA3(P=0.015),年齢(P<0.0001)のみがHCCに関連因子として選択された.【結論】PNPLA3のSNPはC型慢性肝炎患者の肝線維化,肝硬変,肝癌を発症するリスク因子であると考えられた. |
索引用語 |