セッション情報 |
口演
C型肝炎2
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タイトル |
O-295:HCV特異的免疫応答と制御性T細胞動態の視点から考える肝移植後C型肝炎再発に対する治療戦略
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演者 |
津崎 龍一郎(岡山大学消化器・肝臓内科学) |
共同演者 |
高木 章乃夫(岡山大学消化器・肝臓内科学), 八木 孝仁(岡山大学肝胆膵外科学), 山本 和秀(岡山大学消化器・肝臓内科学), 内海 方嗣(岡山大学肝胆膵外科学) |
抄録 |
【目的】肝移植後HCV再発に対する治療戦略について,移植後HCV再発症例の臨床経過とHCV抗原特異的T細胞免疫応答,制御性T細胞(Treg・Tr1)動態,IL28B一塩基多型の観点から検討した.【方法】1996年10月から2012年1月まで当院でHCV関連生体肝移植を施行し,IL28B遺伝子多型を測定し得たレシピエント57症例(男/女36/21),(うち HCV 特異的IFNγ-Enzyme-linked immunospot(ELISPOT)を測定し得た27症例,フローサイトメーターを用い制御性T細胞頻度を測定し得た32症例)を対象とした.観察期間を移植後1年未満(T1),1年以上3年未満(T2),3年以上(T3)に分け移植後の臨床経過との関連を検討した.TregについてはCD4+CD25+CD127-(Treg)とCD4+CD18+CD49b+(Tr1)をLDLT前7日,移植後40日まで(早期),以後280日まで(晩期)に測定し臨床経過と比較した.【結果】移植後ALT正常(PNALT)症例は慢性肝炎症例と比べT2期において総スポット数が高値であった(p<0.05)が,T3期では差が無かった.NS3スポット高値症例ではTregが減少していた(p<0.05)が,Tr1は変化が無かった.PNALT症例においてTr1は移植後早期に低下し晩期でも低値であった.またT2期にIL28BメジャードナーはHCV-NS5特異的応答高値であった.【結論】生体肝移植後のHCV特異的免疫応答は,SVR達成後とIL28Bメジャードナー症例早期に強く認めた.PNALT群はTr1が低値であった.肝移植後ウイルス特異的免疫応答が保たれている移植後3年までにIFN治療を行うことがより有用で,Tr1頻度で移植後経過を予測しうることが示唆された. |
索引用語 |
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