共同演者 |
厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 島田 則朋(新松戸中央総合病院消化器・肝臓内科), 安部 宏(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器内科), 近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 中川 愛(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 加藤 慶三(新松戸中央総合病院消化器・肝臓内科), 福田 健(日本医科大学消化器内科学), 松下 洋子(日本医科大学消化器内科学), 楢原 義之(日本医科大学消化器内科学), 中塚 雄久(日本医科大学消化器内科学), 岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 坪田 昭人(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター), 相澤 良夫(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器内科), 川本 智章(日本医科大学消化器内科学), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学) |
抄録 |
【目的】C型慢性肝炎に対するSOCはTelaprevirを含めた3剤併用療法であり治療効果は向上したが難治症例もあり課題となっている.IFN-baseでの治療におけるVitaminD併用効果が報告されているが,3剤併用療法における報告はない.そこでC型慢性肝炎に対するalfacalcidol併用3剤併用療法について検討した.【方法】同意が得られた1型高ウイルス量の連続するC型慢性肝炎患者19例に対し,3剤併用療法に1alpha-OH-D3製剤であるalfacarcidolを併用した(VD群).通常の3剤併用療法施行症例のうち年齢,性別,IL28B genotypeをマッチさせた19症例(C群)を対照とし,両群間での有効性や安全性について検討した.本研究は薬物治験倫理委員会の承認のもと施行された.【結果】対象は,年齢中央値60歳(28-69),男性24例,女性14例の38例.IL28Bgenotypeは両群とも各々major11例,minor8例であった.両群間の患者背景に差を認めなかった.C群,VD群で各々,RVR率(63.2%,84.2%),eRVR率(94.7%,100%),ETR率(89.5%,100%)であった.SVR率は(68.4%,89.5%:p=0.231)と有意差を認めないもののVD群で良好であった.IL28B genotype別の解析では,major症例では両群間でSVR率は同等であった(100%,90.9%,p=1.000).一方minor症例では,VD群のSVR率は87.5%(7/8)でありC群のSVR率25%(2/8)と比較し,統計学的有意差を持ってVD群で良好であった(p=0.041).Alfacalcidol併用による合併症を認めなかった.【結語】Alfacalcidol併用3剤併用療法は,通常の3剤併用療法に比して,IL28B minor genotypeのような難治症例の治療効果を向上させる可能性が示唆され今後さらなる研究が期待される. |