セッション情報 | 口演C型肝炎 テラプレビル |
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タイトル | O-301:発癌リスクと治療反応性,薬剤耐性変異を考慮した難治性C型肝炎治療 |
演者 | 坂本 穣(山梨大学肝疾患センター) |
共同演者 | 三浦 美香(山梨大学第1内科), 佐藤 光明(山梨大学第1内科), 小松 信俊(山梨大学第1内科), 辰巳 明久(山梨大学第1内科), 中山 康弘(山梨大学第1内科), 井上 泰輔(山梨大学第1内科), 前川 伸哉(山梨大学第1内科), 榎本 信幸(山梨大学第1内科) |
抄録 | 【目的】C型肝炎治療はNS3 protease inhibitor(PI)を含む3剤併用治療のほかNS5A阻害剤などDAA製剤の実用化も近いが,発癌まで猶予のない症例も存在しIFN不応例や薬剤耐性変異による難治例も想定される.そこでTransient elastgraphy(TE)と遺伝子変異・薬剤耐性変異から発癌リスクと難治要因を検討した.【方法】1)発癌リスクの検討:PEG-IFN(P)+ribavirin(R)治療後3年以上観察した391例と2年以上観察したTE施行例471例を対象とした.2)治療反応性の検討:2003年12月以降治療開始した1b型P+R 744例,P+R+Telaprevir(T)43例,55±10(17-81)歳,M/F=429/315を対象としHCV変異(ISDR/IRRDR/コアアミノ酸),IL28B・ITPA SNPsとともに難治要因を検討した.3)薬剤耐性変異の検討:DAA未投与110例のNS3,NS5A領域の薬剤耐性変異をdeep sequencerで解析した.【結果】1)発癌リスクは非SVR(HR 5.0,p=0.002),男性,≧65歳,AFP≧4.7で高く,SVRにより<65歳,AFP≧4.7で低下した.非SVR例に限るとIL28B TG+GGが寄与因子(HR 4.9,P=0.01)であった.TEによる前向き検討では年発癌率は12.0KPa≧/<で2.63%/0.15%で(p<0.001)で治療早期導入の有用な指標になりえた.3)P+R+TはP+R効果と関連しP+R NVRはIL28B TG+GG,IRRDR変異数≦2で含PI 3剤治療でも難治と予測された.これ以外のP+R+T非治癒例は副作用中止,薬剤低投与率が有意で新規PIにより改善される可能性があった.4)DAA未投与例でもNS3-V36,T54に耐性変異を1,6%に認めたがR155,A156,D168には変異を認めなかった.一方NS5A-L31M/V/F,Y93H/Nは12,31%,両者耐性は4%認め,Y93変異はIL28B TT,ISDR/IRRDR変異例に多かった.【結論】TEを含めた発癌リスクを考慮し,IL28Bを含めた宿主因子とISDR/IRRDRなどウイルス因子とDAA耐性変異,治療因子を考慮して治療方針を決定することが重要である. |
索引用語 |