セッション情報 口演

巨大総胆管結石に対するEPLBD

タイトル O-302:

当院の高齢者総胆管結石症の実態―EPLBD導入前の総括―

演者 足立 清太郎(聖隷横浜病院消化器内科)
共同演者 片倉 芳樹(聖隷横浜病院消化器内科), 吹田 洋將(聖隷横浜病院消化器内科), 安田 伊久磨(聖隷横浜病院消化器内科), 石橋 啓如(聖隷横浜病院消化器内科), 浅木 努史(聖隷横浜病院消化器内科), 豊水 道史(聖隷横浜病院消化器内科)
抄録 【目的】当院では総胆管結石(以下CBDS)の治療法はEST後截石術が原則だったが,2013年8月よりEPLBDを導入した.今回はそれ以前の実態を明らかにし,EPLBDの治療成績の上乗せ予測を検討した.【方法】2009年9月-2013年7月に当院で治療したCBDS171例(男女比103:68,平均年齢75.3歳)を対象に,64歳以下の若年群28例,前期高齢群39例(以下前期群),後期高齢群65例(以下後期群),超高齢群39例(以下超高群)に分け,患者背景,治療成績,転帰を検討した.【結果】背景では,以下若年順に女性が各々17.9%,31.0%,38.5%,66.7%で超高群は他群に比し有意に多かった(以下若年順に各々p=0.0001,0.0030,0.0081).傍乳頭大憩室は7.1%,33.3%,13.8%,28.2%で前期群が若年群と後期群に比し有意に多かった(p=0.0162,0.0256).EST後乳頭が3.6%,10.3%,3.1%,18.0%で超高群は後期群に比し有意に多かった(p=0.0248).結石径は8.0mm,8.7mm,8.0mm,12.8mmで超高群が他群に比し有意に大きかった(p=0.0023,0.0096,>0.0001).胆管径は12.3mm,14.6mm,13.1mm,16.0mmで超高群が若年群と後期群に比し有意に大きかった(各々p=0.0011,0.0005).胆摘後例が10.7%,23.1%,7.7%,15.4%で後期群は前期群と超高群に比し有意に少なかった(p=0.0373,0.0373).胆管炎合併,抗血栓薬,術後胃,結石数と胆嚢有結石率では有意差がなかった.治療成績では截石術回数,完全截石率と偶発症発生率に有意差がなかった.転帰では胆嚢有石例の術後胆摘率は82.4%,70.0%,40.9%,28.0%で若年群は後期群と超高群に比し有意に高く(p=0.0045,0.0013),前期群は超高群に比し有意に高かった(p=0.0073).一方,結石再発率は有意差がなかった.不完全截石例は後期群3例,超高群4例で,担重症他疾患2例と胆管深部挿管未達1例を除く4例ではEPLBDで完全截石が期待できた.【結論】高齢者のCBDS治療は患者背景には差異が多々あるが若年者と同様の治療成績と安全性を有し,EPLBD導入にて完全截石率の上乗せを期待できるが,合併症も含め今後の検討課題である.
索引用語