セッション情報 | 口演巨大総胆管結石に対するEPLBD |
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タイトル | O-304:高齢者の巨大結石に対する治療法の検討 |
演者 | 河瀬 智哉(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科) |
共同演者 | 吉田 浩司(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科), 小山 展子(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科), 中島 義博(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科), 佐々木 恭(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科), 富山 恭行(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科), 吉岡 奈穂子(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科), 仁科 惣治(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科), 原 裕一(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科), 日野 啓輔(川崎医科大学附属病院肝胆膵内科) |
抄録 | 【背景と目的】65歳以上の高齢者総胆管結石症例では15mm以上の巨大結石を認めることも多い.一方,巨大結石の治療としてEST後に大口径バルーンを用いた乳頭拡張術(以下EPLBD)の有用性が報告されている.そこで高齢者巨大結石に対するEPLBDの有効性と安全性について検討した.【対象と方法】2008年4月~2013年9月に当科で経験した総胆管結石症例625例のうち高齢者総胆管結石症例は385例あり,このうち15mm以上の巨大結石46症例を対象とした.前半2年半はEST+EML(以下EML群)を行い,後半2年半はEPLBDを導入したため,EML群とEPLBD群の有効性と安全性を比較検討した.【結果】EML群は19例,EPLBD群は27例であり,全例排石を行った.結石サイズの平均値はEML群:EPLBD群=21.7mm:22.8mm,平均処置時間はEML群:EPLBD群=63.1分:36.6分(p<0.001)であり,処置時間に有意な差を認めた.ERCP後膵炎は両群ともに1例ずつみとめ,EML群5.2%,EPLBD3.7%であった.高齢者総胆管結石症例のうち傍十二指腸乳頭憩室を有する症例は,通常結石例19.5%,巨大結石例52.2%(24例)で巨大結石症例に多く認められた.EML群8例,EPLBD群16例に傍十二指腸乳頭憩室を認め,このうち傍十二指腸乳頭憩室を伴うEPLBD群1例に消管穿孔をみとめたが保存的治療で対応可能であった.再発に関しては両者の再発期間および再発率に差は認められなかった(EML群:EPLBD群=486日:475日),(EML群:EPLBD群=15.8%:18.5%).【考察】高齢者にEPLBDを導入したことで処置時間を短縮し患者負担を軽減することが出来ており,従来のEMLにかわる処置の一つになりうると思われた.一方で巨大結石症例では傍乳頭憩室を伴う症例が多いため,EPLBD施行にあたっては引き続き消化管穿孔のriskがある事を念頭におく必要がある. |
索引用語 |