セッション情報 | 口演巨大総胆管結石に対するEPLBD |
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タイトル | O-305:当院における高齢者総胆管結石症に対する内視鏡治療の検討―EPLBDの有用性について― |
演者 | 串山 義則(松江赤十字病院消化器内科) |
共同演者 | 板倉 由幸(松江赤十字病院消化器内科), 山本 悦孝(松江赤十字病院消化器内科), 山下 詔嗣(松江赤十字病院消化器内科), 原田 恵理奈(松江赤十字病院消化器内科), 花岡 拓哉(松江赤十字病院消化器内科), 實藤 宏美(松江赤十字病院消化器内科), 内田 靖(松江赤十字病院消化器内科), 香川 幸司(松江赤十字病院消化器内科) |
抄録 | 【背景】当県は高齢化率が全国3位,100歳以上の高齢者数が全国1位という高齢先進県である.これまで高齢者の巨大結石や積み上げ結石に対してはERBDの定期交換を行ってきたが,胃瘻造設等で長期生存が増え寝たきりや四肢拘縮のある胆管炎再発例も増加してきた.これらの症例は内視鏡治療自体も困難であることが多いため,最近ではEPLBDなどにより積極的に結石除去を行っている.当科におけるEPLBDの適応は巨大結石や積み上げ結石症例,年齢・基礎疾患などで短時間,1回での治療が望まれる症例としている.【対象・方法】2010年3月~2013年8月に行ったEPLBD群34例(前期高齢者8例/後期高齢者13例/超高齢者13例)とEST群184例(36例/71例/37例)で患者背景(抗血栓薬服用率,結石径,結石数)と治療成績(完全結石除去率,初回完遂率,結石破砕施行率,手技時間,偶発症,結石再発率,胆管炎発症率)について比較検討した.【結果】群内比較では両群とも後期高齢者の割合が高く,結石数に差はないものの年齢により結石径は大きくなる傾向がみられた.群間比較ではEPLBD群とEST群の抗血栓薬服用率は44.1%/31.0%,結石径は12.5mm/8.9mm,結石数は4.5個/2.8個とEPLBD群で抗血栓薬服用率が高く,大結石・積み上げ結石症例が多かった.治療成績では完全結石除去率はEPLBD群88.3%/EST群96.7%,初回治療完遂率82.4%/92.9%,結石破砕施行率14.7%/62.5%,手技時間35.5分/31.0分,偶発症(出血1例/3例,膵炎3例/8例,高Amy血症6例/14例,穿孔・胆管損傷0例/2例),結石再発0例/2例,胆管炎発症2例/5例であった.【結論】高齢者の大結石や積み上げ結石症例に対するEPLBDはESTと比べ,手技時間や治療回数に遜色はなく結石再発や胆管炎発症も少なかった.また結石破砕の頻度が減ることで治療時間・治療回数を減らすことができるため積極的に行ってみるべき治療手技と考えられた. |
索引用語 |