セッション情報 口演

巨大総胆管結石に対するEPLBD

タイトル O-306:

75歳以上の総胆管結石症例に対する内視鏡的乳頭ラージバルーン拡張術

演者 金子 卓(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター)
共同演者 杉森 一哉(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 三箇 克幸(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 三輪 治生(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 亀田 英里(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 沼田 和司(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 田中 克明(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 前田 愼(横浜市立大学医学部消化器内科学)
抄録 【目的】75歳以上の高齢者における内視鏡的乳頭ラージバルーン拡張術(EPLBD)の安全性・有用性を,75歳未満の症例と比較し検討する.【方法】対象は2010年12月から2013年9月までEPLBDを行った37例.75歳以上の症例群(O群)と75歳未満の症例群(U群)に分け,両群間で1.背景因子,2.結石個数・サイズ,3.処置関連事項,4.経過,5.偶発症についてretrospectiveに検討した.尚,当院でのEPLBDは,内視鏡的乳頭切開術(EST)で小切開を付加した後にバルーン拡張を行うこととしたが,術後再建腸管の症例(Billroth I法再建症例は除く)では,ESTの付加をせずにバルーン拡張のみを行った.【成績】O群は24例,U群は13例であった.1.平均年齢はO群82.3歳,U群67.4歳であった.性別・傍乳頭憩室の有無・総胆管結石の既往・術後再建腸管の有無に,両群間で差を認めなかったが,併存疾患を有する例は,O群では24例全例であったのに対し,U群は9例であり,O群に有意に多かった(p=0.01).2.O群とU群の結石数(1個/2個/3個以上)はO=4/8/12,U=4/4/5,また最大の結石の短径はそれぞれ平均11.8±2.2mm,平均10.9±2.0mmであり,両群間に差を認めなかった.3.O群3例,U群2例で機械的破砕具による砕石を要したが,そのうちO群の1例(Roux-en-Y再建腸管例)で完全切石まで至らなかった.4.完全切石まで至ったO群23例・U群13例での検討で,完全切石までの治療回数は,それぞれO群1.1±0.3回,U群平均1.3±0.5回,初回治療から退院までの期間はO群平均4.2±2.6日,U群平均3.9±2.0日であり,両群間に差を認めなかった.5.偶発症は,O群に出血を1例認めたが,U群では認めなかった.【結論】75歳以上の症例におけるEPLBDは,併存疾患を有する患者が多かったにもかかわらず,75歳未満の症例に行った場合と治療回数や入院期間,偶発症の発生は同等であり,有効かつ安全に行えた.
索引用語