セッション情報 口演

胆道疾患

タイトル O-307:

胆嚢隆起性病変の超音波検査所見としての小嚢胞様構造所見

演者 小坂 俊仁(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科)
共同演者 芳野 純治(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 乾 和郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 若林 貴夫(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 片野 義明(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 小林 隆(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 友松 雄一郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 山本 智支(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 松浦 弘尚(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 成田 賢生(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 鳥井 淑敬(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 森 智子(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 細川 千佳生(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 黒川 雄太(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 安江 祐二(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科), 溝口 良順(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院病理診断科)
抄録 【目的】胆嚢隆起性病変の超音波検査(US)でみられる小嚢胞様構造の病理組織所見を明らかにする.【対象と方法】対象は1991年10月~2013年5月に当院で切除を行った胆嚢隆起性病変27例で,US所見,造影US所見および病理組織所見を比較検討した.【結果】症例の年齢中央値は48(32~84)歳,性別は男性14例,女性13例であった.胆嚢隆起性病変の内訳はポリープ17例(コレステロール14例,過形成性2例,炎症性1例),腺腫4例(乳頭状腺腫3例,管状腺腫1例),癌6例(肉眼型Ip 5例,Isp1例,深達度m 6例)であった.病変の平均径はポリープ13.5(9~20)mm,腺腫16.8(14~19)mm,癌18.3(10~25)mmでポリープ・腺腫と癌で有意な差はなかった.US所見で病変内部に小嚢胞様構造をポリープ7例(47.6%),腺腫2例(50%)で認めたが,癌には認めなかった.USで小嚢胞様構造を認めた9例中5例で造影USを実施したところ,4例(80%)で小嚢胞様構造がより明瞭に描出された.小嚢胞様構造についてUSと病理組織所見で拡張した腺管径を計測したところ,ポリープはUSで平均1.8(1.0~4.0)mm,病理組織所見で拡張した腺管の径は平均1.1(0.5~3.4)mmであった.腺腫はUSで平均1.8(1.1~2.5)mm,病理組織所見で拡張した腺管の径は平均1.6(0.9~2.3)mmであった.ポリープ・腺腫ともに小嚢胞様構造と拡張した腺管の径の間に大きな差を認めず,ポリープおよび腺腫で認めた小嚢胞様構造は拡張した腺管を反映していると考えられた.【結語】胆嚢隆起性病変のUSで認める小嚢胞様構造は造影USにより明瞭に描出され,良悪性の鑑別診断の参考所見となる可能性が示唆された.
索引用語